Qの期待

自分の人生の主人公は自分だ。「客観」っていう言葉があって、言わんとしてることはよくわかるけど、それでもやはり自分は、自分の人生は、自分の世界は、自分が見て、聞いて、考えて、感じたことを中心に回っている。最終的にはなにもかも自分で責任を負わねばならない。だから、自分は一体何者なのかということについて、「自分はこういう人間だ」とはっきり自信を持って言い切ってしまえばそれまでのことで、その通りで、そういう人間で、他人にとやかく言われる筋合いはない。なにせ自分の人生だ。自分の人生をどんな主人公に背負わせるのかは自分が決めることで、それなら、どうせならイケてる奴がいい。主人公が貧相じゃ話にならんだろう。

というわけで、俺はロックスタアだ。「スター」ではなく「スタア」と表記するところがミソ。前例のない、俺が俺のために作り出したキャラクター。

ファン?ファンなら熱狂的な奴がいる。俺の中にいる。そいつを仮に「Q」と名付けるとしよう。Qは俺に1ヶ月に3回も4回もライブをやることを望んでいない。そんなことをすれば「安売りしてる…」とガッカリさせることになる。だからこそ、次のライブは7月にして今年初。前回のライブから数えると8ヶ月振りになる。さすがに8ヶ月は長過ぎたか?とも思ったが、「ずっと曲を作ってた」と言ったらQは喜んだ。喜ぶ顔を見てホッとしていたら、「じゃ、今度のライブは全曲新曲でやるんだな?」と鼻息荒く言ってきたので一瞬口ごもってしまったが、この稀少かつ貴重な熱狂的ファンをガッカリさせるわけにはいかない。ついつい「当たり前やんけ。俺を誰や思てんねん」と口走ってしまった。

というわけで、次のライブは当初の予定通り全曲新曲でいく。


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