俺はベタな人間ではない。ないが、唯一ベタだと言えるとすれば、阪神タイガースのファンだということである。今年のタイガースはどうなんだろう。個人的には、新外国人マルテが男前なのでそこそこやるんじゃないか?と思っている(昨年、最下位に終わったのはロサリオがブサイクだったからだ)。
ところで、俺はたまに、野球から得た知識を自分の音楽活動に当てはめてものを考えることがある。例えば、セットリストを組む時には「先発、中継ぎ、抑え」という考え方をする。先発向きの曲、中継ぎ向きの曲、抑え向きの曲、というのがあって、それぞれの適性を見極めながら適材適所の試行錯誤に努めるのは監督である俺の仕事なのである。また、オリジナル曲とカバー曲については、オリジナルが「生え抜きの選手」で、邦楽のカバーが「他球団からFA移籍してきた日本人選手」で、洋楽のカバーが「外国人選手」だと捉えている。だから俺は、生え抜きで勝つことにこだわっている監督であると言える。常に1番から9番まで生え抜きを並べて戦っているのである。
プロ野球では、一球団が抱えることのできる選手数の上限が定められている。同様に俺も、自分が抱えるオリジナル曲数の上限を「50」と定めている。50を超えたら支配下枠の問題で、誰かを戦力外として退団させねばならない。最近、「呼吸」「赤い雨」「ORANGE」と即戦力として期待される3選手の入団が決定したので、曲数が52となり、一度も一軍に上がることのなかった(ライヴでやることのなかった)「503」「その男、凶暴につき」の2曲を戦力外とした。同時に、いくつかあったカバー曲についても、佐野元春からFA移籍してきた「ポーラスタア 」以外はすべて解雇とした。
和田怜士監督。背番号「04」は英断の下せる星野仙一以来の「闘将」である。冷徹に選手の力量を見極め、育て、淘汰し、生え抜きの力を信じて常勝軍団に鍛え上げ、頂点を目指す。