歩くキウイ

親父が言っていた。

「(食べ物の)好き嫌いはアカン。貧乏人なんやから何でも喜んで食わなアカン。でも一つだけ、「これだけは絶対に食わん」っていうのがあるのは悪いことやとは思わん」

親父が「絶対に食わん」と決めていたのは、「態度デカいクセに中身がない」というわけのわからない理由から茄子だった。で、俺はというと、親父には申し訳ないが二つあって、パイナップルとキウイなのだが、それはアカン、どちらか一つにしろと言われればキウイなのである。キウイだけは絶対に食わん。っていうか食えん。

人間、対人関係についても好き嫌いというものがある。なので、食べ物同様、「俺はこういう奴とは関わらん」というのが一つだけあっても良いと思う。俺の場合、それは「謝れない人」だ。「謝れない」はくだらないプライドがゆえの「謝らない」だ。自分の為に、相手の為に必要とあらば、嘘でもいいから謝るのが、謝れるのが大人だろう。「相手の為に」はさて置いても、自分の為にすら嘘をつけないというのは頭が悪いとしか言い様がない。そんなことくらい、精神年齢が小4で止まっている俺にだってわかる。

謝れない人が歩いている。俺にはキウイが歩いているように見える。


『グラサージュ』解説

https://youtu.be/l2KmEIet3l0

新曲PV『グラサージュ』はもう観てもらえただろうか?もし、まだだという人がいたら、そんな不届き者がいたら、この曲と映像について軽く解説するので、これを読んでから観てもらいたい。

<曲について>

以前にも書いたが、もう少し掘り下げて振り返っておこう。メロディーは30分足らずで形になった。頭では「激しいのを作りたい」と考えていたのだが、頭で考えているのとは真逆の物が出てきた(よくある事だ。今に始まった話ではない)。日本語詞を付ける前の段階、英語のようで英語でない英語で歌っている段階ではものすごくビートルズな感じ、レノンな感じだったのだが、案の定、日本語詞を乗せた瞬間にビートルズ臭が抜けて「和田怜士の曲」になった。曲を作っている時、頭の中でずっと鳴り響いていたのはストリングスの音だった。これは『SURFBLUE』を作っていた時と同じ現象で、トータルタイムが短いことも相俟って、良い曲になることを直感することができた。ヴォーカルについては、普通ならファルセット(裏声)で歌うだろうところを、俺はファルセットが全くもって出ないので、シャウトで乗り切っているが、これまたよくある事で、今に始まった話ではない。これはこれで和田怜士スタイルなのだ。

<歌詞について>

「ラヴソングではない」としか言えないのだが、勘の良い読者なら、先日の記事『40➡︎30』を読んでピンと来たんじゃないかと思う。あの文章がヒント…っていうか答えだったりする。

<映像について>

高校時代、郵便局で働いて買ったエレキギターを背負って、毎日のように通っていたスタジオ「PISE」に舞い戻って撮影した。スタジオには店長(俺は昔から「先生」と呼んでいる)が収集したアメリカンテイストなアンティーク雑貨がいっぱい飾ってあって、独特な雰囲気があるから、どこから撮っても面白い絵が撮れてアングルに困ることはなかった。なので、これまで撮ったことのない真横からのアングルで撮ってみた。それから、映像全体を実際より少し明るくして、照明が微妙に揺らぐようにエフェクトをかけてある。ギターは、スタジオでギター教室があって、その時に生徒さんに貸し出しているヤマハのギターを貸してもらった。マイクで拾った音をヴォーカル用のスピーカーから出している。

<おまけ>

これまでに作った49曲の中で5本の指に入るくらい歌うのが難しい曲である。


野望あって返却希望

夢。大きなものだけでなく、ごくごく小さなものまで言えば数限りなくあるが、そのうちの一つに自分が暇つぶしに描いたイラストを貼り巡らせた会場でワンマンライヴをやってみたいというのがある。「聴覚、視覚ともに和田怜士ワールドで満たしてやるぜ!」という押し付けがましさ全開の、俺に興味がない人には迷惑でしかなく、俺の事が嫌いな人には地獄の沙汰でしかない非常にアーティスティックな事をやってみたい。

ご存知の通り、俺は音楽が好きだけど、音楽と同じくらいレコード・ジャケットというものが好きで、ジャケットを眺めながら音楽を聴くのがたまらなく好きなんだけど、それと同じ状況をライヴで再現できないかなと思っている。が、現状、実現させるにはイラストの数が足りない。イラストを描くというのは、ただの暇つぶしであるにも関わらずなかなかに疲れることなので、会場に貼り巡らせる程の枚数を量産するとなると気が遠くなる。

昔、大阪のレンズ工場で働いていた時、工場の経営が大きく傾いて、出勤はするもののやることがまるでなくて、仕事をしているフリをしてイラストばかり描いていたことがあった。別の部署に四季を問わずパンクファッションに身を包んだおかしなカップルがいて、俺のイラストを痛く気に入ってくれて、「欲しい」と言うので(彼女の方は特に熱心で、休憩時間、喫煙所に来る俺を待ち伏せて「新しいの描けました?」などと図々しく催促してくることもあった)、イラスト1枚につきブラックサンダー1個と交換、譲っていた。あの時描いたものの中に相当良い出来のものがあったはずなのだが…。

あいつら今、どこにいるんだろう。イラスト、返してくんねえかな。

ブラックサンダー返すから。


40➡︎30

他人の言葉がやたらと突き刺さるだろう。他人の言葉に対して知覚過敏みたいなところがある。でも、本当は誰もお前の事なんて大して見てないし気にしてないんだよ。お前が傷付いた言葉の多くは、お前に向けて投げ掛けられた言葉じゃないってことに一刻も早く気付いてくれ。

辛いから引き篭もるんじゃなくて引き篭もるから辛くなる。外へ出ろ。表へ出ろ。鏡に映るお前はお前が思うお前の姿。ただでさえ自己評価が低いんだからロクなもんじゃないだろう。でも、他人の目に映るお前の姿はお前が思うお前の姿とは違う。意外にそっちの方に救いがあったりする。晴耕雨読。バランスの問題。偏ったものの見方をするな。

他人を自分の上に置くな。お前が正しくて他人が間違っていることだって腐るほどある。大事なのは言葉の内容であって声の大きさや勢いじゃない。お前はいつも負けている。声の大きさや勢い、つまりは見せかけの自信に負けている。穏やかな本物の自信を持って無理に謝るな。無駄に道を譲るな。お前が正しい時はお前が先を行け。

上手くいかなくて辛い時や悲しい時はいちいち自分のせいにするくせに、上手くいって嬉しい時に限っていちいち他人に感謝するな。それは本当に他人に感謝すべきことなのか?お前が頑張ったから上手くいっただけの話じゃないのか?「俺自身のおかげだ」でいいじゃないか。悪い時、自分のせいにばかりして、良い時、他人に感謝ばかりしてたんじゃ、いつまでたっても自分の事を好きになれんぞ。

お前が誰かを待っているように誰かがお前を待っている。お前が誰かを待っている間は、誰かもお前を待っている。お前が誰かを探し始めたら、誰かもお前を探し始める。

というわけで、お前、今、色々と辛いだろうけど、他人に何と言われようが、どんな手を使ってでも…逃げ倒してでも、負け犬呼ばわりされても構わないから、何が何でも、40まで生き延びてくれ。40になったらお前、トンネル抜けて、驚くほど幸せになるから。俺が保証する。

何故そんなことが言い切れるのかって?俺は41のお前だからだ。


新作完成

新しいライヴ盤『RED CARD』が完成した。いつも通り販売はせずに、ライヴ会場で面識がないのに勇気を出して声をかけてきてくれた人や、当ブログ等を見て「欲しい」と言ってくれた人に無料であげることにする。

ハンドメイドということもあり、初回生産枚数は僅かに5枚。5枚でも全部はけるのに多少の時間はかかるだろうと思っていたのだが、昨日、facebookで告知をしたら、今日の午前中には予約だけで品切れとなった。めちゃくちゃ有り難い。嬉しい。でも、自分としては、こうやって当ブログで告知をうった段階で在庫がないというのはありえないことだと思うので、急遽5枚、追加で作ることにした。18日のライヴ会場がリリースの場となる。

海賊ライチのスタッフが一丸となって作り上げた一枚。真っ赤なので、ライヴイベント等で激烈にくだらない演者が出てきた場合に「退場!」と叫んで降りかざせば実際にレッドカードとしても使える一枚。

先着5名。予約承ります。


フライヤー到着

フライヤーが到着した。すでに出順以外は全て決まっている。

最近、少しずつだけど、伊丹という街が活気付いてきているのを感じる。文化的にも、こういったイベントを通して勢い付いて、盛り上がっていけばいいなと思う。

あのね、なにもわざわざ大阪や神戸まで出掛けなくても、大阪と神戸の間に面白い世界があるんですよ。


音楽の「楽」

歌詞を書かずに済んだらどんなに楽か…というのはノエル・ギャラガー(オアシス)や加藤ひさし(ザ・コレクターズ)も言っていて、元春さんも「曲ならいくらでも書ける。でも、言葉はそういうわけにいかない」って言ってる。本当に、誰か代わりに歌詞書いてくれないかな…ってしょっちゅう思う。

俺の場合、ギターのチューニングも面倒くさい。弦を張り替えるのはもっと面倒くさい。誰か代わりにやってくれないかな…ってしょっちゅう思う。

セットリストが決まらない。50近くある曲の中から7曲を選んで流れを見て順番を決めるというのは簡単な事じゃない。観に来てくれる人たちがどの曲を期待してくれているのかもわからないし難しい。誰か代わりにやってくれないかな…って思う。

好きなことをやってる。だから、楽しくないわけがない。個人的には「楽しい」よりも「嬉しい」を大事にしてるけど、じゃ「楽しくないのか?」と言われればそんなわけはない。楽しい。でも、決して、楽なことをやってるわけじゃない。楽なことをやってるわけじゃないから、うまくいった時、「楽しい」よりも「嬉しい」が先に来て、やめられない止まらないの根源になる。


ここらでちょっと(弾んで)一息

https://youtu.be/vVb7thGPf50

昔、ニルヴァーナが出てきて、グランジ旋風が巻き起こった時、グランジバンドに紛れて素晴らしいメロディーを聴かせるギターポップバンドやパワーポップバンドがいっぱい出てきた。

ティーンエイジ・ファンクラブ、ザ・ポウジーズ、ウィーザー、レッドクロス、アージ・オーヴァーキル、レモンヘッズ…今でも好きでよく聴いてるバンドがいっぱい出てきたんだけど、その中で一つ、ジャケ買いでホームラン。誰も知らないけど大好きになったバンドがあって、それがこのスーパードラッグ(あの頃は、スーパーデラックスやら、スーパースナッズやら、スーパーナチュラルズやら、スーパーグラスやら、スーパーチャンクやら、頭に「スーパー」の付くバンドがやたらと多かった。当時、友人とバンドを組むことになり、「バンド名なんやけど、『スーパー関西』はどう?」と言ったら却下された覚えがある)。

20年前、中古CD屋で、女の人が鏡を覗き込んでいる綺麗なジャケットが目に止まって手に取った。裏返して裏ジャケを見たらマッシュルームカットの奴がリッケンバッカーを弾いている。「!」即買い。店の前のレンガでできた花壇に腰掛けて、CDウォークマンにCDをぶち込んで再生ボタンを押したら1曲目からホームラン。2曲目も3曲目もホームラン。4曲目のこの「サックド・アウト」に至っては場外満塁ホームランだった。

スーパードラッグ。YouTubeでカタカナ検索しても見つからなかったのだが、アルファベット検索したら見つかった。今まで映像を見たことがなかったから感動した。やっぱり最高だ。

まあ、見ておくんなはれ。聴いておくんなはれ。恐ろしくパンチの効いた、初期ビートルズのええとこどりのようなメロディーとガチャガチャしたバンドサウンド。俺はホント、こういうのに目がねぇんだ。

それにつけてもヴォーカルのジョン・デイヴィス。名前こそジョンだけど、顔も動きもポール・マッカートニーそっくりだ(笑)