昨日、みこみかんさんから『eclipse』を絶賛するメールが届いて(Facebookにも絶賛の長文を載せてくれた)、その中にこんなフレーズがあった。「邦楽であって邦楽でない」。海賊ライチのDr.Fも「僕は和田怜士の音楽は洋楽やと思ってる」って言ってたけど、ホンマ、そう、そうやねん。そういう事やねん。たまに俺の音楽が「わからん」って言う人がいるけど、そういう人は「日本語で歌ってる=邦楽」やと思ってて、そういう耳で聴くから「わからん」ってなるんやと思う。そらわからんやろ。邦楽ちゃうんやから。
俺は音楽好きの両親の影響で音楽が好きになった。朝から晩まで絶え間なく音楽が流れているような家で育った。幅広く色んな音楽を聴いて育ったけど、好きになったのは親父が好きだった60年代の欧米のロック。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ドアーズ、アニマルズ、クリーム、イーグルス、ジェファーソン・エアプレイン、ピンク・フロイド、ホリーズ、ステッペン・ウルフ、シカゴ…みんな親父に教えてもらった。特に好きになったのはビートルズとストーンズ。夢中になった。確実に俺の人生を変えた。
家では邦楽も流れていた。フォーク、ニューミュージック、歌謡曲。洋楽と同じくらい流れてたけど、どれも好きになれなかった。親父は特に井上陽水が好きで、母親はさだまさしが好きだったけど、どちらも聴いてると気が滅入るから嫌いだった。そんな俺の中学時代の口癖は「俺、何で日本人なんやろ?」。友達が聴いている音楽も、TVから流れてくる流行りの歌も皆、死ねばいいと思っていた。同じようなメロディー。同じような歌詞。同じような音。大嫌いだった。
今でも、邦楽はほとんど聴かない。CD、山ほど持ってるけど、邦楽はほんの一部。佐野元春と村八分は例外で、大好きだからほとんど全部持ってるけど、佐野元春と村八分を除けば、邦楽のCDは全体の1割にも満たない。
というわけで、俺は邦楽を聴かずに育った。聴こえてきても、聴こうとしても、好きになれなかった。だから、邦楽から受けた影響はゼロだと断言できる。そんな俺の音楽に邦楽を求めても無駄だろう。一度、洋楽だと思って聴いてみなはれ。メロディーはもちろんのこと、歌詞も、英詞を翻訳したような言葉選び、言葉並びになってるから、きっと見えてくるものがあると思う。
「邦楽しか聴かない」という人には残念ながら見えてこないだろうな。ま、いっか。俺の音楽は本当に音楽が好きで、音楽にも良し悪しがあることを知っていて、自分が何が好きで何が嫌いかをはっきり言えてしまうばっかりに寂しい思いをしている人たちを唸らせる為にあるようなものなんだから。満遍なく理解してもらおうとは思わん。
あ、「唸らせる」で思い出したけど、ここのタコ焼きは俺を唸らせたよ。