曲ができた時、まるで他人事のように思うことがある。
これ、何ですか?と。
しばらくして意味を考え始める。作っている時は「作っている」という意識すらないから、意味が後付けになる。
歌うたびに想いが変わる。ある時は物言わぬ人たちへの憤り。またある時は物言えぬ人たちへの激励。亡くなった人たちが「物言わぬ」のか「物言えぬ」のかは知らない。
黒でもなく白でもない。熱くもなく冷たくもない。上でもなく下でもない。何一つはっきりさせぬまま進行し、高揚させていく。この技法を教えてくれたのはジョンレノンだった。
音楽を聴いてきた人の胸には名曲として響くだろうと思うし、そうあることを願うが、音楽を聞いてきた人の耳にはただひたすらに「?」だろうと思う。
赤と黒。曲にマッチしていて、素晴らしい映像だと思う。またこのお店で演りたいし、撮りたいと思うのだが、残念ながら、二度とできない。なぜなら、もう、このお店は存在しないからである。