解説『the answer song(collage film)』

<曲について>

メロディーが言葉を連れてきた。アレンジに苦労したが、シスターマロンからのアドバイスを容れてキーを下げたことを発端に、ブレイクをなくして前奏を短くし、全体的にスピードを上げたことで一気に開花した。メロディーが言葉だけではなくギターの弾き方をも指示してくるように感じたが、そこは完全に無視して、指示してくるものとは真逆の弾き方を選んだ。バラード寄りに傾きそうになるメロディーをギターで叩き起こしながら展開させていく。

<音について>

Dr.Fによるマスタリング音源を使用。

<写真について>

【4】俺にとって特別な意味を持つ数字。サイコロには映像の「振り出し」という意味がある。納得がいくまで何度も撮り直した。

【ジョン・レノン(ザ・ビートルズ)】天才の上をいく鬼才。この人は年代によって顔が変わる。めちゃくちゃカッコいい時もあれば崇高なくらい美しい時もあるが、ブサイクな時は本当にブサイクなので、一枚を選ぶのに苦労した。

【盆踊り】俺が育った伊丹最北端は盆踊りのメッカで、夏になると異常な盛り上がりを見せる。皆それぞれにお気に入りの会場があって、俺のお気に入りは神秘的な雰囲気漂う天日神社。写真はその天日神社での模様である。

【リアム・ギャラガー(オアシス)】お世辞にも賢いとは言えない男。でも、どこまでも真っ直ぐで嘘がない世界最強のロックンロール・シンガー。

【伊丹】この写真を見て込み上げてくる気持ちは悲しさではなく悔しさだったりする。

【ピート・タウンゼント(ザ・フー)】(ギターを破壊する理由を訊かれて)「破壊は創造だからだよ」

【ユニオンジャック】もしイギリスという国がなかったら音楽を好きになってなかっただろうし和田怜士は存在しなかった。そういう意味では「母国」と言える。

【キース・リチャーズ(ザ・ローリング・ストーンズ)】ギターと酒と煙草を教えてくれた人。

【真紅の薔薇】俺の色。

【山口冨士夫(村八分)】ルックス、ギタープレイ…全てが日本人離れしていた、日本で一番好きな「早過ぎた」バンドのギタリスト。8年前、暴行を働く米国人を止めに入った際に突き飛ばされて頭を強打。64歳で亡くなった。

【いい加減になさい】俺が描いたイラスト。

【クリスティン・マクヴィー(フリートウッド・マック)】俺の中の5大ソングライターの一人。恐るべきメロディーメイカーで、恋多き女としても有名。本名は「クリスティン・パーフェクト」

【シスターマロン】今にして思えば、コロナ以前の日常を切り取ったような写真。お気に入りの一枚。

【ジョニー・ロットン(セックス・ピストルズ)】ピストルズが『勝手にしやがれ!』を発表した1977年に俺は生まれた。それも、ジョニーが生まれた1月31日に生まれた。誕生日占いで1月31日を調べると大抵「反骨精神の人」とある。

【ミッキー&マロリー】初めて映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』を観たのは19才の時。衝撃だった。映画の中に理想の恋愛像があった。

【カート・コバーン(ニルヴァーナ)】自己否定の核爆弾。この人がありとあらゆるものを破壊し尽くした後、絶対的な自己肯定を引っ提げてオアシスが現れた…という流れを記憶している。

【2月8日】

【Ben】俺の親父。基本的におのれの妻しか描かない画家。子供の頃は神か何かだと思って崇拝していた。63歳で亡くなると、亡くなってから駄目な部分がちらほら見えてきて、ただのロックスターだったんだと思うようになった。

【ピエタ像】箱根の彫刻の森美術館にレプリカがあって見に行ったことがある。あまりの美しさに圧倒されて像の前で立ち尽くした。親父が「キリストよりマリアさんの方が大きいやろ?」と言ったのを覚えている。そう、いつだって男より女の方が大きい。

【ボブ・ディラン】ただひたすらに我が道を往く、ジョンやポールやキースに畏敬の念を抱かせるロック界の巨人。怒りを表現させたら上手い奴はいくらでもいるが、挑発を表現することに於いてディランの右に出る者はいない。

【蝶とカマキリ】向かって左が男。右が女。

【ポール・マッカートニー】「天才」という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべる人。メロディーメイカーとしてもベーシストとしても凄過ぎてぐぅの音も出ない。やはり天才にもピンキリがある。彼が天才なら俺も天才なんだから。

【アダムの創造】「約束」という言葉を連想する。曲のイメージに寄せて選んだ一枚。

【和田怜士】俺が一番好きな日本人アーティスト。


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