どうゆうこと?

身近なアーティストが二人、YouTubeに映像をアップしたというので、休みの日に観ようと楽しみにしていた。一人は以前からよく知っている人。もう一人はロック寄りの音楽をやっていて、最近割と評判が良いということを知ってるだけで、一曲たりとも聴いたことがないし、面識もない。

とにかく、刺激を求めていた。二人のうちどちらか一人でも曲を作りたいとか、ライブをやりたいとか思わせてくれたら御の字だと思っていたのだが、残念ながら二人ともただの貧乏フォークでガッカリした。

ポロンポロンポロンポロンギター弾いて、チンタラチンタラ歌ってる。何を歌っているのかということに全く興味が湧かず、意識が向かない。二人ともオリジナルを歌ってはいるが、オリジナリティのないオリジナルをオリジナルと呼ぶことに疑念が湧く。それから、御多分に洩れず、一曲一曲が無駄に長い。何か約束事でもあるかのように確実に5分を超えてくる。ウンザリして観るのをやめた。「こんな奴らが俺より評価されとんか…」曲を作る気もライブをやる気も失せて、曇り空の下、散歩に出掛けた。

近所の本屋。音楽誌のコーナーにコレがあり、迷わず買った。

巻頭にノエルの最新ロングインタビューがあって、その後にリアムがソロに転向する直前に受けたインタビューが続く。貪り読んだ。「俺はファッキン天才なんだよ。努力なんて一切してねえけど、常に他人の2倍良い曲が書ける。ソングライターというのは俺で終わりだ。ポール・マッカートニーやボブ・ディランといった連中がこの世からいなくなったら俺しか残らない。で、俺が死んだら誰も残らない」とノエル。「最近の奴ら、「ギターロックを蘇らせる」とか何とか抜かしてやがるけど、俺に言わせりゃただ首からギターぶら下げてるだけだ」「俺にとって重要なのはロックンロールだ。ロックンロールは命がけでやらなきゃ駄目なんだよ」とリアム。読み終えた時、俄然、曲を作りたくなった。ライブをやりたくなった。

もう、身近なところに刺激を求めるのはやめよう。っていうか、「身近」って一体なんなんだろう。そういえば、貧乏フォークの奴らを身近に感じたことなんてただの一度もない。物理的に身近だというだけの話で、身近に感じた覚えがない。俺に刺激を与えてくれる人たちは皆、海を渡った向こう側や、雲の上にいるけど、貧乏フォークの奴らよりずっと身近に感じる。精神的な距離感で言えば、貧乏フォークの奴らの方が海を渡った向こう側や雲の上にいる感じ。だから、わざわざ会いに行くまでもないし、会いに行きさえしなければ向こうから会いに来る可能性は限りなくゼロに近い…っていうかゼロなんだから、徹底的に無縁でいられる。

しょうゆうことだな。


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