僕は、ピアノがメインの曲で世界最高の名曲はこれだと思っています。昔からそう思っていて、これを超える曲は聴いたことがありません。「ピアノがメイン」云々をさておいても、5本の指に入るくらい好きな曲です。
僕が「ロックが好きだ」と言った時、誰もが思い違いをしています。僕にとっての「ロック」とはつまり、こういうことです。このメロディーが分からない人と音楽の話をしたところで…。
フリートウッド・マックが『噂』で知られる黄金期のメンバーになる一つ前のラインナップで作った『クリスタルの謎』というアルバムに収録されていて、作ったのはクリスティン・マクヴィー。ピアノ/ヴォーカルももちろんクリスティン。これだけの名曲なのに代表曲でもなんでもなくて、ライブで演奏されることも絶対にない。コアなファンしか知らない、知る人ぞ知る名曲です。
いつか、こんな曲が作りたい。いつか、こんなピアノが弾きたい。ダイナミックで力強い。それでいて美しい。一つの理想形。
では、聴いていただきましょう。目を閉じて、大音量で聴いて下さい。フリートウッド・マックで「カム・ア・リトル・ビット・クローサー」。