名曲『赤い雨』について

前回のライブ。どの曲が一番好評だったのか。ライブ中のリアクションで言うと『orange』なのだが、ライブ後にちらほら聞こえてきた声によると『orange』に並んで好評だったのは『赤い雨』らしい。これまで、俺が名曲だと思うものは大抵ウケが悪かったんだけど、珍しく俺とお客さんの評価がリンクした。これは嬉しい。というわけで、『赤い雨』の歌詞について解説。

タイトルであり、曲中で繰り返される「赤い雨」というのは芸術家の情熱のこと。つまり、「芸術家の情熱が世の中を変えていく」という内容の曲。

「君の声が思い出せずにギターをかき鳴らしている」のは俺で、「君の顔が思い出せずに絵筆を走らせている」のは絵描きだったうちの親父。

「君」というのは、親父が言っていた「僕は女の人をモデルに立てて絵を描いているからと言ってその人を描いているわけじゃない。その人を通して、自分の中にあるもっと大きな女の人を描いている」という言葉から来ている。最近、この言葉の意味がわかるようになった気がしていて、それで、芸術家というのは一生を賭けて自分の中の大きな異性を探し求めている人間のことで、その情熱が世の中を変えていくんだ…という歌詞にしてみた。

そういえば、ライブに向けて配信する「シングル」を選ぶ時、最後まで迷ったのが『orange』にするか『赤い雨』にするかだった。そういう意味では、いよいよもって俺とお客さんの感覚がリンクしてきてるのかもしれないな。

良いことだ。


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