『おさん』より/太宰治
革命は、ひとが楽に生きるために行うものです。悲壮な顔の革命家を、私は信用いたしません。〈中略〉気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえできたら、何のむずかしい問題もない筈です。
革命は、ひとが楽に生きるために行うものです。悲壮な顔の革命家を、私は信用いたしません。〈中略〉気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえできたら、何のむずかしい問題もない筈です。
是が非でも、生きる時間を生き抜くよ。そして、戦うよ。決して負けぬ。負けぬとは、戦う、ということです。それ以上に、勝負など、ありゃせぬ。戦っていれば、負けないのです。決して、勝てないのです。人間は、決して、勝ちません。ただ...
仮面をぬぐ、裸の自分を見さだめ、そしてそこから踏み切る、型も先例も約束もありはせぬ、自分だけの独自の道を歩くのだ。自分の一生をこしらえて行くのだ。
・生きよ墜ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。 ・堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。 ・人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことは...