降臨!ビートれいし

人間、40歳と50歳の差は大した差ではないが、80歳と90歳の差は大きな差であるーという話をよく聞く。

ライヴで80%の力を発揮するのと、100%の力を発揮するのとでは、そこに大した差はないように思う。80%〜100%発揮できれば、お客さんの耳に自分の音楽を届けることができる。耳に届けることはできるが、ハートにまで届けようと思えば、120%の力を発揮しないと駄目だと思う。100%と120%の間には天と地ほどの差がある。120%発揮した後は2日くらい心身ともに茫然自失としてほとんど廃人みたいになるけどね。

良いアーティストは、ステージに上がる前、楽屋で挨拶した段階で「この人やるな」と思わせるものがある。大抵、椅子やソファーに腰掛けて、黙って煙草を吸っていたりする。黙々と自分の中にある炉に石炭を放り込んでいる。傍目には至って冷静に見えるが、ハートはごうごうと燃えたぎっている。外は冷たく内は熱い。これがステージに上がった瞬間に逆転する。傍目にはメラメラと燃え上がって見えるが、ハートは至って冷静で、どこか落ち着きがある。この時彼は、外が熱く内は冷たい。

私は、そんなアーティストとなら、120%の力を出し合った殴り合いの末に握手を交わして仲良くなれる自信がある。でも、闘争心のカケラもなく、ただFacebookの「友達」を増やしたいが為にステージに上がっているような、ステージの上下を問わず絶えずヘラヘラと軽薄な笑顔を浮かべて「楽しい」を連呼しているような奴らとは一生仲良くなれないし、なりたくない。そんな奴らに限って、ライヴハウスではなくライヴバーに出続ける理由について、「ライヴやるのに金(出演料)払うなんてありえへんから」などと、鳴らす音楽にはロックの「ロ」の字もないくせに突然都合よく取って付けたようにロックなことを言う。でもそんなもの、ただライヴハウスに出て負けるのが怖いだけの話だろう。だいたい、お前らみたいなレベルの低い人間こそ金払ってステージに上がらんとアカンのんと違うか?ステージに上がることに対して驚くほど責任感がない。責任感がないから恐ろしく恐怖心がない。恐怖心がないから覚悟なんて抱けるわけがない。ステージに上がる資格のない人間はせめて金くらい払え。それに、お前はびた一文金を払いたくないと言うが、お前はお前が呼んだ客に金払わせてることを分かっとんか?と言いたい。それから、投げ銭って一体何なんだ!?ただ箱が置いてあって、投げるも投げないも客の自由というのならまだ分かるが、募金箱みたいなものを持って客席を回るのは勘弁してくれ。断るに断れないんだから、強要以外の何物でもない。おのれはライヴするのに一切金出さんくせに客からはチャージ以外にさらに金取るって、気は確かか!?無闇矢鱈に「楽しい」くせに、都合良く貧乏な歌うたいを装って同情を買おうとするな。

客が呼べない内は自腹を切る。自腹を切らねばならないのは自分がまだまだ未熟だから。そうして、これでもか!これでもか!と自分の音楽に磨きをかけていく。もちろん、客が呼べるようになれば自腹を切る必要はなくなるし、プラスが出ることにもなるけど、問題は金じゃない。より多くの人に自分の音楽を気に入ってもらって、自信を付けて、それをまた自分の音楽の成長に結び付けていくことこそが大事。まともに客を呼べない分際で金銭的にプラスを出そうなんて虫が良過ぎる。

ただでさえ、一般の人達とライヴバーやライヴハウスとの間に救い難い溝があるというのに、何をしとんねん馬鹿野郎!!!


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