ロックたれ

年がら年中、「ロックとはなんぞや」ということを考えている。学生時代から今に至るまでずっとだ。で、その都度考え方は変わるんだけど、今、40歳の俺はこう考えている。

ロックは「信用」だ。

くだらないバンドの音楽を聴いたり、ライヴを観たりした時、「嘘をつけ!」と思う。不思議と「嘘」という言葉がしっくりくる。下手クソでもいい。馬鹿でもいい。正直であればいい。愚直であればいい。ロックとはつまり、そんな芸術表現のことだから、嘘が水に垂らした油のように一目瞭然な浮き方をする。

気に食わないものがある。気に入らないことがある。でも、それを口にしたら他人に拒絶されるような気がして怖いから口にしない。黙ってる。僕は嘘をついているわけじゃない。黙ってるんだ…なんてことを、ロックやってる分際で思っている奴がいたらそれは間違いだと言いたい。ロックやってる人間が言いたいことを言わずに黙っているというのは、言葉巧みに裏腹なことを言うよりもずっとタチの悪い嘘だ。


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