嘘と手

「表現の自由」ってな言葉があって、法律でも認められてるけど、実際にはこの国にそんなものはないと思う。

身近な人たち。普通にその辺に暮らしている人たちがそれを認めようとせずに監視し合ってるんだからどうしようもない。

本音。思っていても言えないことが腐るほどある。

人が耳を傾けるのはいつも、当たり障りのない清潔な嘘だけ。

バラの花を眺める時に棘だけを見る人はいないだろうに、本音を聞く時には棘だけを見て花を見ず、一切触れようとしない。

清潔な嘘と綺麗な嘘じゃ、清潔な手と綺麗な手くらい意味が違うと思う。

造園業を生業としていた絵描きの親父の手は、毛深くていっぱい傷があってゴツゴツしてたけど、生命力があって綺麗だった。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。