失せろポンコツ!

他人の曲をコピー、カバーしてると親父に怒られたものである。「作れ!」と。「ギターの練習してるだけや!」と切実に訴えても一切聞く耳を持たず、「他人の曲やるんやったら音楽なんてやめてまえ!自分の曲を作れ!」の一点張りだった。なので俺は曲を作りながらギターを覚えた。

人前でカバーやコピーばかりしている人がいるけど、俺は親父とは違ってそれはそれで良いと思っている。それもまた音楽の楽しみ方。他の芸術にはあり得ない、音楽にだけ許された楽しみ方だと思う。ただ、そういう人たちはひたすらに楽しむために音楽をやるべきだと思っている。「もっと楽しめるんじゃないか?」というところで練習を重ねて、セットリストを考えて、余計なことは一切考えずに、自分の音楽を、他人の音楽を「いかに楽しむか」ということに焦点を絞ってやれば、そういう姿勢は側から見ていても清々しいし、俺には真似のできないことだから羨ましくもあるし、音楽が喜ぶだろうし、素晴らしいと思う。

俺がアカンと思うのは、カバーやコピーしかできひんクセにエラそうに人の批評や批判をする奴だ。そんな奴にオリジナルをやっている人のことをとやかく言う資格なんてない。もってのほかだ。中には、上に書いたような、音楽を楽しみたい一心でカバーやコピーをやっている人のことを批評、批判、バカにしたりする奴がいたりなんかして本当に頭にくる。言いたいことを言う資格が欲しかったら作れ。親父譲りの「作れ!」を食らわせてやろうか。

曲を作るってしんどいこと。そこには生みの苦しみがある。この苦しみの中に「楽しい」はほとんどない。ただ、この苦しみを乗り越えた向こう側に巨大な「嬉しい」があるからやめられない止まらない。

しんどいのは嫌だと言って作らず、かと言ってただ楽しむということもできずに人を批判したりバカにしたりして喜んでいる馬鹿がいる。人の褌で相撲を取っておきながら謙虚さが一切見受けられず、同じ土俵の上にある謙虚な人を見下してドヤ顔を浮かべている馬鹿がいる。

失せろポンコツ!


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