架空音楽誌『ロックンロール・ウェザー』より抜粋

10月4日(木)未明。和田怜士は自身が主宰する「海賊ライチrecords」事務所で会見を行い、3作目となるライヴ・アルバム『RED CARD』の発表を明らかにした。

アルバムの内容は2018年9月9日、伊丹DABADAで行われたライヴの模様を収録したもので、マスタリングは過去2作同様、Dr.F氏が担当。ライヴ当日、怜士の魂に火を付けた大幅にマナーを欠くオーディエンスの声をノイズ扱いとし、可能な限りカットした上で、サウンド全体に丸く厚みのあるアナログ的な音処理を施した。また、アルバムジャケットについても過去2作同様、sister marron氏撮影のフォトが使用され、封入の赤いフィルムによってステージ上の怜士が炎上しているイメージが醸し出されることとなる。

アルバムタイトルについて怜士は語る。「音を聴いて真っ先に浮かんだ言葉が「烈火」だった。「烈火」が「RED CARD」になった。烈火の如く怒り狂って「お前ら退場!」と(笑)でも、今となってはあの人たちに感謝してる。あの人たちへの怒りがなかったら絶対に出ない、これ以上は無理!っていう爆発的な声が出てるからね」「冒頭でいきなりギターをミスってる。中盤の曲に至っては歌ってる最中に歌詞が飛んじゃって、急遽、歌詞の順序を組み替えて歌ってる。でも、それがマイナスに作用してない。プラスに作用してる。勢いが全てを飲み込んじゃってる。つまり、1st『ROCK&REISHI』がギターポップで2nd『爆弾』がグランジなら、『RED CARD』はパンクなんだ」

待望の新作『RED CARD』は2018年11月18日発表予定。これまで通り物販席等に並ぶことのない非売品。怜士はあなたが直接「レッドカードを食らわせてくれ」と言ってくるのを待っている。

「退場!」は時に自由を喚起させる。

(文/本田純正)


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