ロックンロール・ウェザー誌8月号(巻頭インタビュー/和田怜士)

実は結構寂しかったりするんだよ(笑)

Q いよいよ明日に迫ったライブですが、予告されていた通り全曲新曲で行われるのですか?

A うん。途中、ちょっと迷ったんだけど、想定外に「waterfall」っていう曲ができて、それまでに完成していた7曲の中から1曲削って順番を入れ替えたらいい感じになったんで、「よし!これでいこう!」と。

Q 今回組まれたセットリストにこれまでになかった特色のようなものはありますか?

A 後半がヘビーだということかな。これまでは後半、特にラストに突き抜けるような曲を持ってくることが多かったんだけど、今回は良い意味で後味の悪い、重い感じに仕上がってると思う。

Q リハーサルは順調に進みましたか?

A うん。たまにスタジオにゲストを迎えたりなんかしてね。誰かと一緒に音楽やるのは久しぶりだったし、スタジオで人と話をすること自体が刺激的で楽しいことだったよ。いつも誰とも口をきかずに黙々とやってるからね。それって実は結構寂しかったりするんだよ(笑)

Q その寂しさからまたバンドをやりたいと思われることはないんですか?

A ない…とは言えない。いつも言うように「サポートバンドを従えて」というのならやってみたい。主役がハッキリしているのなら…つまり、俺を主役に立てて、脇を固めることに徹して、それを楽しんでくれるというのならバンドもアリだなと思う。でもそうじゃなくて、メンバー全員に平等に発言権があって、全員で一つの名前、バンド名、看板を背負ってやるバンドとなるともう全く興味がない。もし、また誰かと一緒に同じ看板を背負って音楽やるのなら、バンドではなく、何か別の形でやりたいね。

原点回帰的な、ささやかなサプライズを用意してるよ

Q 明日のライブに向けて配信を開始されたPV「orange 」を拝見しましたが、これまでになくポップでキャッチーな楽曲ですね。

A 痛快だろ?こういったタイプの曲は「果物をてんこ盛った巨大なケーキ」以来だ。あれで味をしめたんだ(笑)曲を理解しようとする必要がない。聴いたまま、そのままを受け止めればいいんだから。誰かに突然紙を渡されて、そこにデカく「好き」って書いてあったら、それはもうそういうことだろ?深読みする馬鹿はいない。深読みのしようがないんだから。っていうか、わざわざ紙に書かずに面と向かって言えよ!というね(笑)シングルにこの曲を選んだのはつまり、そういうことだよ。

Q 映像については何かありますか?

A あえて編集に失敗したものを選んだんだ。冒頭の「orange 」の文字が右にズレてるだろ?拡大したらズレちゃったんだ(笑)でも俺はそれが気に入ってね。失敗=美味しい。この考え方を俺は「ビートルシンキング」って呼んでる。ビートルズに教わった考え方だからね。

Q さて、いよいよ明日ですが、「全曲新曲」の他にも何か新たな試みをされる予定はありますか?

A 「MC」ってほどじゃないけど、少しだけ喋ろうとは思ってる。ライブの流れを崩さない程度に本当に少しだけ。それからもう一つ、原点回帰的な、ささやかなサプライズを用意してるよ。それはまあ、来てのお楽しみだね。

Q それでは最後に、明日ライブを観に来られる方々にメッセージをお願いします。

A 心に、頭に、何かモヤモヤしたものを抱えている人がいたら、そういう人たちにこそ観に来てもらいたい。俺にそのモヤモヤを破壊する手助けをさせて欲しい。俺にできるのはあくまで手助けだけ。実際に破壊するのは君。どうやって破壊するのかって?俺に向かって「ロッケンロー!!」って叫ぶ。それだけ。それだけのことで随分楽になるはずだよ。え?恥ずかしくてできない?じゃ、仕方ない。一生モヤモヤしてるんだな!


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