バニーマツモロというアーティストとその音楽を一言で言い表わすとしたら…すぐに浮かんだ。「ビンテージ」だ。これしかない。とにかく「味わい深い」というね。バニー“ビンテージ”マツモロ。
じゃ、俺は?俺と俺の音楽を一言で言い表わすとしたら?残念ながら何も浮かばない。いくら考えても浮かばない。俺はどんなアーティストなんだろう。俺の音楽って一体何なんだろう。そういえばバンドやってる時も「ロックやってます」としか言えなかった。「どんなロック?」と訊かれるとたちまち答えに窮した。しょうがないから「うるさいビートルズ…みたいな感じ」と答えていた。全然違うんだけど。
俺は、自分は良いアーティストだと思っている。俺の音楽は素晴らしいと思っている。でも、バニーさんみたいな味わい深さがあるわけじゃないし、極端に斬新な事をやってるわけでもない。だから、一言で言い表わすとなると難しい。
ライブ。今までずっと持ち時間30分という枠の中でやってきた。一度もこの枠の外に出たことがない。でも最近、いよいよもってこの枠が窮屈になってきた。30分じゃ到底自分を出し切れない。つまり、俺自身、自分を出し切った時の形を見たことがない。だから自分がわからない。コース料理、デザートまで出したことのないシェフの気持ち…と言えばわかってもらえるだろうか。いつも前菜とメインをちょっと出した時点でタイムオーバー。本当は他にも色々と出したいものはあって、それをベストな流れで出して「これが俺の味だ」って言いたいんだけど、それができなかった。だから、4日後に迫ったツーマンライブは凄く意味がある。初めて前菜からデザートまでフルコースで出せるんだから。
当日、バニーシェフと怜士シェフが提供するのはいずれも「シェフの気まぐれコース」。二人ともオーダーされたものを出すわけじゃないからね。それぞれがそれぞれのスタイルで腕によりを掛けて拵えたものを提供する。それから、これは以前にも書いたけど、共作曲『SURFBLUE』は双方ともに演奏する。同じ品目だけに調理法の違いが顕著に出て、自らを「グルメ」と称する人達には楽しんでもらえることうけあい。
二人の鉄人によるフルコース料理を僅か¥2000で堪能できるまたと無いチャンス。
お見逃しなく!
2019.8.30.fri 日本橋 太陽と月
バニーマツモロ × 和田怜士
◾️OPEN 19:00/START 19:30
◾️¥2000(1drink付)