アルバム解説『DABADA TV SHOW』(リイシュー盤)

<収録曲>1.伊丹DABADAで逢いましょう 2.バンドマン・ロック 3.果物をてんこ盛った巨大なケーキ 4.バタフライ 5.グラサージュ 6.ストーカー 7.ハングリーマン〜恋の尊厳死〜(BLUES version) 8.モナリザ

¥1000


2018年11月のライブの模様を収めた『DABADA TV SHOW』から冒頭の「未来へ」、ラストの「アニマ HOLD ME TIGHT」をカットしたものに、同年9月のライブの模様を収めた『RED CARD』(廃盤)に収録されていた「ハングリーマン〜恋の尊厳死〜」「モナリザ」を加えた全8曲。

これまで配布してきた『DABADA〜』をお持ちの方は、音の違いに驚かれると思う。収録曲も変わったが、音も劇的に変わった。『DABADA〜』のギターの音はラインで出している。つまり、俺が作った音ではなく、マスターが作ってくれた音。マスターは一般的な「良い音」を作ってくれる。クリアで、キラキラしていて、抜けが良い。ライブの時は、お客さんの大半がごくごく一般的な人たちなのでそれで良いし、マスターには感謝しているのだが、録音して、CDに落として、演る側ではなく聴く側に回って、客観的に和田怜士の作品として聴くと、聴くたびに違和感を感じるようになった。「これは俺じゃない」。そこで、Dr.Fにお願いして、俺の思う音に変換してもらった。クリアでキラキラした感じを一掃して、もっさりとして暖かいアナログな音に変換。そうして、良い意味で抜けを悪くした後、全体的に低音を持ち上げた。結果、ギターが木で出来ていること。そこに金属の弦が張ってあることがよくわかる、まるで、ノコギリで木を切っているかのような音になった。これが実に体感的で、気持ち良い音なのである。

曲の組み替えについては、弱点があったものから弱点を削ったものに、弱点を補う役目を担ってきたものを付け加えて完璧な形にした…と言えばわかってもらえるだろうか。流れとしては、ポップ(軽く)に始まってヘビー(重く)に終わるという俺が好きなパターン。特に「ストーカー 」から「ハングリーマン」への流れは鳥肌モノである。

追加収録した「ハングリーマン」「モナリザ」は、客の話し声が聞こえる。これは、歌っている俺の目の前に音楽を聴く姿勢のない客が4人、テーブルを囲んで座っていたのだが、そいつらの話し声である。本当に、ずっと喋っていた。当然、俺は怒り狂っていたのだが、この2曲についてはそれがプラスに作用した。「ハングリーマン」は「感受性のカケラもない連中」についての曲であり、「モナリザ」はバンド時代、ステージに上がって客席を見ると、客が皆向こう(ステージとは逆の方向)を向いて地べたに座り、延々喋り続けていたという痛い経験から生まれた曲だからである。

ジャケットは見ての通り、音から感じる色や温度に合わせて作り直した。封入カードも作り直してある。

2018年のベスト・パフォーマンスを凝縮した一枚。劇的に生まれ変わった『DABADA TV SHOW』に乞うご期待。


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