power to the music

ライブ。演る側にも、観る側にも、一種の気合いが要るようになった。演る側は演る前に、観る側は観に行く前に、本当に演るのか本当に観に行くのかを考える「間」を挟むようになった。演る以上はしっかり演る、観に行く以上はしっかり観るという姿勢が根付きつつある。すごく良い事だと思う。

演る側の人間を見ていていつも気になっていたのは「惰性」だった。ライブを演ることにも観に行くことにもスペシャルな感じがなかった時にはそれも許されたのかもしれないが、今は許されない。だから、これまでずっと惰性でライブをやってきた人たちは、ステージが随分と高くなったように感じるんじゃないかと思う。それくらい、もう無責任な姿勢は許されない。すごく良い事だと思う。

大阪のライブハウスの状況を見てみた。どこもキリキリ舞いだ。これまで、演者に対して高飛車な態度を取ってきたことや、お客さんに「いらっしゃいませ」の一言すらまともに言ってこなかったことを悔い改めると言うのなら、生き残って欲しいと思う。

「楽しけりゃ何でもいい。手を伸ばせばそこにあるし」などと言って、音楽を玩具のように扱ってきた人間の怠慢が、音楽への正しい需要が出てきて、音楽が息を吹き返し始めたことで戒められようとしている…そんな希望的観測が最近、俺の中にある。

長い目で見れば決して悪い状況ではない。個人的には、追い風が吹き始めているとさえ感じている。音楽に音楽やる人間を取捨選択する力が戻れば、俺にもまだまだチャンスはある。巻き返せる。だから、俺の「音楽のために音楽やる」という考え方は、結果的には、急がば回れ的に、俺自身のためになるんだと信じている。


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