カタルシス

ここのところずっと曲作りに没頭していた。厳密に言えば、曲は一瞬で出来たから、詩を書くことに没頭していた。初の楽曲提供。友人のシンガー、みこみかんさんの為に曲を書いていたのである。

楽曲提供というのは、される側とする側がお互いの能力を認め合っていることが前提だと思うのだが、みこさんであればそこに支障を感じないので、俺から願い出た。

まず、バラードでいくと決めて、骨格をエアピアノを弾きながら作って、ブリッジの部分だけギターで作ってまとめた。自分でも信じられないくらいあっという間に出来た。詩の付いていない段階のものをみこさんに聴いてもらったところ凄く気に入ってもらえたので、スムーズに詩を書くモードに入っていけた。

詩を書くにあたって何かワードをもらえないかとみこさんにお願いしたら、「どちらか一方を使ってもらえれば」と二つのワードをくれたのだが、俺は二つとも使うと決めた。

二つのワードを結び付ける為の何かを考えていたら、自然とこの絵が浮かび、この女の人を「sister moonlight」と名付けて、曲の主人公に据え、タイトルとした。

デヴィッド・ボウイが火星からやって来たロックスター「ジギー・スターダスト」を演じたり、ザ・フーのロジャー・ダルトリーがロックオペラ『トミー』をやる時に主人公のトミーを演じたりしたように、みこさんにsister moonlightを演じてもらってはどうだろう…というアイデアが浮かんで、このアイデアに沿って詩を書いて、昨日、完成した。

メロディーは自分らしいが、詩は自分らしくない。自分が歌う為に作ったとしたら絶対にありえない仕上がりになった。これはあくまでみこさんの曲なので、俺が歌う場合にはセルフカバーという形になるのだが、それはそれで今まで踏み込んだことのない領域。面白いことになると思う。

何はともあれ完成して良かった。みこさんから貰ったワードのうちの一つが「カタルシス」で、「魂の浄化」みたいな意味なのだが、この曲が完成した瞬間に感じたものこそまさにカタルシスだった。


3件のコメント

  1. ご存知だと思いますが頭を抱える日々です。
    色々反応が遅くすみません(;^ω^)
    まずは、この夏は大変勉強させて頂きました。ありがとうございました_(._.)_
    そして昨日は突然のお電話すみませんでした。
    お礼を言いたいだけなのに、気の抜けたソーダ水みたいなコメントしかできなくてすみませんでした(;’∀’)
    ありがとうをどう伝えれば良いのかわからなくて、とりあえずこれはもう、あれこれコメントを書くよりも電話だろうと電話をかけてしまいました_(._.)_
    曲を作るのには労力も時間も費やします。自分も楽譜を作るのでそれは手に取るようによくわかります。わたしの場合は仕事の時も、食事の時も頭から離れません(^_^;)
    作品が良くなることだけを考えて制作する時間は楽しくもあり充実した時間ですが、貴重な時間を使って今回楽曲提供をして頂くことになったのは本当に驚きでした。
    月並みですがありがとうございます。完成形の音源を楽しみに待っています。
    半沢ではありませんが、歌って歌って倍返し・恩返し、としか考えられません。
    ブログにあったようにメロディは確かに邦楽ではありませんね。詩は読んで直ぐに目に浮かぶほど綺麗な景色で、それを背景に時の経過と移り変わろうとする心情が選び抜かれた言葉で描写されていました。
    詩は確かにこれまでに無かった作風だと感じています。曲も詩も共に本当に美しいです。
    新曲には毎回新しい要素が盛り込まれ、特に先日お邪魔したライブでは他の出演者さんが進化を認めざるを得ないくらいの進化振りで、ライブの最後の最後でお客様は完全に圧倒されていたように見えました。
    ライブが終わったばかりなのに、もう、また次に向けて新しいことをやってのけてしまうパワーもすごいです。
    にしても、なぜこのタイミングになぜ私に書いてくださったのでしょう。
    また教えてください。

    1. なぜこのタイミングなのかというと、我ながら猛烈な勢いで曲を作ってきて、自分の為に作ることに飽きてきたからです。でも、曲作りはやめられない。で、楽曲提供というアイデアが浮かんで、その相手となるとみこさんの他に誰も思い当たりませんでした。

      他の音楽やってる人たちに対する違和感とか憤りが僕の原動力です。ライブは回数をこなせばいいってもんじゃないし、紛いなりにもアーティストを名乗るのなら作り続けないといけない。常にあの人たちがやってることの真逆を行こうと思っています。そして、それは今回提供させてもらう曲にも同じことが言えて、「味」に逃げずに、シンプルに美しいものを作ろうと心掛けました。

      それから、あの人たちは無駄に時間をかけて無駄に長い曲を作ります。僕はその真逆を行きました(笑)

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