曲を作っていると、メロディーや言葉が勝手気ままにあらぬ方向へ行こうとして、「どこ行くね〜ん!」みたいなことになる事が多々ある。そんな時、ソングライターの多くは彼らの襟首を取っ捕まえて、自分が希望する道に引き戻そうとするんだろうけど、俺の場合は「どこ行くね〜ん!」と言いながらもサッと手綱を放して、泳がせておいて、破茶滅茶に見えて実は賢明なる彼らの真意を汲むや、「ホンマは俺もそっち行きたい思てて〜ん!」などと調子の良い事を言って、彼らから教わった道をあたかも自分が探し当てた道であるかのような顔をして、白昼堂々、アーティストを名乗っているのである。