バタフライ
「あえて2016年、この曲が出来て間もない頃のテイクを選んだ。ギターの弾き方が今とは全然違う。間もへったくれもなく我武者羅に掻き鳴らして突っ走ってる。今よりずっと速い。もし今、この弾き方をしろと言われたら…冒頭のアルペジオなんて無理だと思う(笑)」
WHY?
「家で一人、酒飲みながら聴いてると涙が出てきそうになって困る箇所がある。『底なしの純粋 弄ぶ寄生虫 お前らを許さない』ってところ。よく聴いてもらえれば分かると思うんだけど、怒りで声がうわずっちゃってる。仕方ない。目の前に数匹、寄生虫がいたんだから」
紙吹雪舞う
「この曲を書いたのは20の時だ。当時付き合ってた彼女が凄く良いメロディーだと言って驚いてたのを覚えてる。しかしまあ俺も罪深い野郎だよな。「実は俺、天才なんだ」って別れ際になって言うんだから(笑)」
orange
「曲が良くて音も良いのに客のノリが悪い。アホほどポップでキャッチーな曲なのに客の顔には「?」って書いてあって唖然としてたよ。わからん。俺にはこれがわからんことがわからんよ」
グラサージュ
「言葉には音があってリズムがあってメロディーがある。意味だけに囚われてるソングライターがやたら多いけどね。「誰が何と言おうが俺は君のことが好き」言葉自体がメロディアスで意味を呑み込んでる。良い曲になるのは当然だよ」
悪魔と呼んで
「この曲はハープを全力で吹くことに尽きる。演奏するたびに肺活量の限界に挑まなきゃならない。寿命が縮む。まったく、悪魔みたいな曲だ」
アイボリー
「冒頭に奇妙なノイズが入ってる。マスタリングの段階でちょっとしたミスがあったらしく、ドクター(サウンド・エンジニア)が削除しようとしたんだけど俺がそれを止めたんだ。残してくれと言ったんだよ。「めっちゃカッコええやん!アルバムの中で最もロックな瞬間だ!」って(笑)」
waterfall
「「音響系」っていうジャンルがある。正直意味わかんねぇんだけど、この曲って俺の中では音響系なんだよ。メロディーや歌詩以上に音を感じて欲しいっていうタイプのもの。もちろん、実際に鳴ってるのは俺の声とギターの音だけなんだけど、俺の中では他にも鳴ってる音が幾つかあって、その音の持つ中毒性というのが半端ないんだ」
the answer song
「特別気に入ってる曲。これをベスト盤に入れないという選択肢はなかった。教会で聖歌隊とかに歌ってもらえたら最高だろうな。紛れもなくアンセムだ」
ストーカー
「アルバム中唯一、バンド時代の曲。今でも本当はバンドでやるべき曲だと思ってる。即興性の強い曲だからね。腕だけではなく、想像力もあるメンバーが客そっちのけで火花を散らし合ってこその曲だ。俺はギター1本あれば表現できるけど、どこかの誰かがカバーしたいと言ってきたら悪いことは言わないからやめとけって答えるね。間違いなく大怪我する。ま、それ見たさに「是非観てみたい!」なんてテキトーなこと言ってそそのかすかもしれないけど(笑)」