⬆︎今年の桜は強かった。雨に降られても風に吹かれても散らなかった。
春。めちゃくちゃ良い天気で、近所の公園に行くと子供がわんさか居て、元気に走り回っていた。が、家に帰ってテレビをつけると、どのチャンネルも北朝鮮の話題で持ち切りで、なんとも言えない気持ちになった。
生まれて初めて、平和をテーマに曲を書きたいと思った。
平和ボケしたような、なまぬるいのじゃなくて、もっと切実な…それこそ「imagine」みたいなのを。
私ならできる。
何年レノンの子供やってると思ってんだ。
高2の時、クラスの女子が全員ブサイクだった。これは、全く勉強ができず、運動神経も無く、通学することの目的が女子を眺めることのみだった(喋りかける勇気もなかった)私のような者にとっては非常事態だった。
クラスの女子全員がブサイクだという事実については、私だけではなく、他の野郎どももすぐに気が付いた。クラス変えがあったその日に気が付いた。「俺ら、これから一年何を楽しみに学校来たらええねん…」この絶望感は、私のようにモテない奴らだけではなく、そこそこモテる奴らにも共通しており、クラス変えの日、教室のそこら中から溜め息が聞こえてきた。
が、しかし、クラス変えから数ヶ月が経過すると、ブサイクだらけであったはずの女子の中から人気ナンバーワンが誕生。ナンバーワンが誕生すると、以下、2位、3位、4位…と、クラス変えの日にあれほど絶望していた野郎どもの間でランキングさえ囁かれ始めた。言うまでもなく、少し頭を冷まして冷静な目で見てみれば、我々のクラスのナンバーワンなんて、他のクラスだと8位くらいがせいぜいだったが、それでも、クラスの野郎どもに生き甲斐のようなものが芽生えたのは確かなことだった。
一方、その時、私はどうしていたのかと言うと、クラスの女子には早々に見切りをつけて、隣のクラスの、学年全体で8位くらいの女の子に熱を上げていた。「熱を上げていた」とは言っても、その女の子は、中2の時からの私の中でのナンバーワンであったから、結局、いつもの場所に戻ってきたというわけである。
あの時、私は
最近、素晴らしいアーティストと出会う機会に恵まれている。おかげで、演者としてだけではなく、客としても、ライヴハウスに通うのが楽しくなってきた。
昨夜は、梅田ハードレインで中原真司さんのライヴを観てきた。
芯のある声、綺麗なギターの音色、心のこもった言葉…本当に素晴らしかった。
中原さんの後に出てきた「くじけな」というバンドも、ウィーザーとホワイト・ストライプスを足して割ったような感じで面白かった。
ライヴハウスには、まだまだ可能性が残されている。灯は消えていない。一般の人たちが普通に足を運ぶようになれば、面白い才能がじゃんじゃん世の中に飛び出していくことになると思う。
一般の人たちの足をライヴハウスに向けるためにはどうすれは良いのか。質の高い音楽を提供し続けないといけないのはもちろんのこと、それとは別に、何か、アイデアを練らないといけないと思う。
才能に光があたらない様ほど、痛くて見ていられないものはない。
自分で自分に光をあてる術を考えないといけない。
⬆︎photo by S.NAKAHARA
先日のライヴの模様はしっかりレコーディングしてある。
家で何度か聴いてみたが、やはり、ミスが多い。歌詞も所々間違えてるし、声の調子もさほど良くない。が、しかし、が、しかし!
迫力について言えば、「LIVE」の倍、「COMPASS」の4倍。気迫の違いが声に表れていて、多少の調子の良し悪しなんてどうでも良くなる。そして何より、ギターの音が素晴らしい。「ベーシストがいるんじゃないか?」ってくらい、低音が効いている。
最後の曲を演り終えて、会場が明るくなる。すると、誰が言ったか知らないが、客席から「最高っすわ」という声が聞こえた。
同じライヴは二度とできない。これを闇に葬るのはあまりにもったいない。
ただちに、新たなライヴ盤の制作を開始する。
<写真上>「音楽は人」の名言でお馴染み、カミナリボルトの中原さん(左)。「どうも、佐野元春です」でお馴染み。日本のキース・リチャーズ、バニー・マツモロさん(右)と。
<写真中>海賊ライチ所属を希望して下さっている西宮のロックンロール・マン、寺西建二さんと。
<写真下>ギブリンと私。
昨夜は、扇町para-diceでライヴだった。
<セットリスト>
1.未来へ
2.ロックンロール・スター
3.ここで待つもの
4.バタフライ
5.果物をてんこ盛った巨大なケーキ
6.紙吹雪舞う
7.ガガーリン
確実に「これが俺だ」というのを掴んだ。
色んな人が観に来てくれて、少しずつ事が動き出しているのを感じた。
ライヴ後、ライヴハウスの人に「とにかく、音楽で、曲で勝負します」と言い切った自分がいた。
誰も彼もが、「人間、諦めたら終わり」みたいなことばかり言ってるけど、「人間、諦めが肝心」とも言うし、実際、諦めて初めて見えてくるものもあると思う。
仏教の世界では、「「諦める」とは「明らかにする」ことである」という教えがあるらしいし、ジョン・レノンは、「答えは探すのをやめた時に見つかる」って言ってる。
新曲『紙吹雪舞う』は「諦めること」と「諦め方」について歌っております。
紙吹雪は、諦めた瞬間に感じるもののことです。
聴けばわかってもらえると思うけど、この曲。歌い出した時には、完全に隅に追いやられていたものが、中盤の「紙吹雪舞う」を合図に一気に表に迫り出してくるような感じがあります。
ミラクルです。
たまには天才呼ばわりされても良いんじゃないか?俺。
アカンか…。