比較の視点をもって考えれば、私は、結構持っている方だと自負しているし、その辺の奴らには絶妙に負けない!と声を大にして言えるがしかし、基本的に、根本的に、抜本的に、これは比較で語るような問題ではないのである。
自分の中に飢餓感があれば、それはやはり飢餓しているのであって、自分の中に劣等感があれば、それはやはり劣っているのであって、きっとこれは、死ぬまで満たされたり、解決したりすることはないんだろうけれども、だからこそ、自分に与えられた時間の全てを賭ける価値があると思えてならないから、諦めるもクソもないのである。
私は、痩せても枯れても、非常にストイックな芸術観を持った画家の一人息子である。したがって、諦めるもクソも、はなっから私に選択肢などというものは用意されていないのである。
何がなんだかわからぬままに槍を持たされて、「突っ込め!」と言われたから、何がなんだかわからぬままに、「わあああー!」などと奇声を上げながら突っ込むだけのことである。ただ、それだけのことなのである。