苦渋の果実

実は昨夜、サマソニからの帰り道に携帯が鳴って、見てみると、「楽器屋のフライヤーを見た」という男性ドラマーからのメールだったのである。しかしながら、日曜祝日の19時以降しか活動できないということで、先程、メールで丁重にお断りした。

彼の年齢は49とあった。そして、キャリアは20年で、ビートルズやストーンズが好きだとあった。とりあえず、セッションしていただけませんか?ともあった。

私は、年齢のことなんて別にどうでもいいし、どうでもいいからこそ、フライヤーに『年齢不問』と書いている。『年齢不問』と書いておいて、「いや、ちょっと年齢が…」なんてことを言う気は毛頭ない。

私は49という年齢そのものよりも、49でまたバンドをやりたいというそのスピリットと、そのスピリットから来る音の方に期待を寄せる。ただ、日曜祝日の夜しか動けないというのは、問答無用に受け容れられないことだった。

「やっぱり年齢がアカンかったんかな…」などと悲しいことは絶対に思わせないであろう文章でお断りした。「残念ですが、了解しました。またライヴやる時には呼んでください。観に行きます」と返事が来た。

ライヴをやるとなったら、観に来てくれようが、観に来てくれなかろうが、必ず一本、お誘いのメールを入れようと思っている。

「一緒に音楽をやりたい」と言ってくれる人に心から感謝する。感謝しているから、断るというのは、どんな場合であれ、いつだって、結構苦渋なのである。


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