二つ前の記事の中で私が言った「ささやかな終わり」というのは、つまり、文章で言うところの「、」や「。」や改行の事。
人生にも、仕事にも、思考回路にも、「、」や「。」や改行が必要だと言いたかった。
「、」も「。」も改行もない文章なんて、読む前に、見ただけでウンザリする。そんな、「、」も「。」も改行もない文章が頭の中を埋め尽くしたらもう、まともな言葉なんて出てこない。ただ、だらだらと涙が出てくるだけだ。
そう言えば、私が太宰治の文章を好きになったのは、内容はもちろんだが、それまで見たことのない「、」の小刻みな使い方と、そこにある切実さというか、優しさが嬉しかったからだった。