昨日、近所の薬局でトイレを借りようと思ったら使用中だった。トイレの前でもじもじしながら随分長いこと待っていたのだが、いっこうに出てきやがらない。「どないなっとんねん!」と思い、もし、ガリガリに痩せた、私でも勝てそうなオヤジが出てきたらどついてやろうと息巻いていたのだが、鍵の開く音がし、涼しい顔をして出てきたのは意外や意外。胸に名札を付け、黄色い帽子を被った、小学生丸出しの小さな男の子だった。
「なんや、子供かいな…」心の中で呟き、先程までの怒りをそっと鞘に収めた大人の私は、男の子と入れ替わるようにしてトイレに入った。
「臭っ!!!」
あまりの悪臭に用を足すことも忘れてトイレを飛び出した途端、ダリのような顔をしたガリガリのオヤジがトイレに駆け込んで鍵を閉めた。