ぽろん

子供の頃、商店街でこれを見かけるたび、回転している時の中の状態を想像して、ちょっと興奮した。大人になって、その状態のことを「カオス(混沌)」と呼ぶようになった。

曲を書いている時、もしくは曲が出来上がった瞬間、思い浮かべるのがこの箱。頭の中がメロディーと言葉でごった返して、ごった返して、ごった返して、そこからぽろんと出てくるもの。それが曲。

天才と呼ばれる人たちに、人格的に問題がないとは言えない、ややこしい人が多いのは、仕方がないと言えば仕方がないし、当然と言えば当然なのかもしれない。

頭の中のカオスが壮絶であればあるほど(そして、そこにある膨大な情報量をコンパクトに纏め上げる能力に長けていればいるほど)凄い作品を生み出せるーたぶん、そういうものなのだろうから、そりゃ、尋常ではないでしょう。


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