ゴミと宝石

以前、ある頭の悪い人が頭の悪いことを言った。

「売れてもいない人がアーティストを名乗るのはおかしいと思う」

私は言った。

「もし、売れてない人が描いた絵を「絵」と呼ばないのなら、売れてない人がやってる音楽を「音楽」と呼ばないのなら、そうやろね」

芸術作品というのは、衣食住のどれにも属さない。だから、存在意義のないものはゴミで、存在意義のあるものは宝石で、宝石を作ることができる人のことを「アーティスト」と呼ぶんだと思う。

売れてるけどゴミしか作れない人もいるし、売れてないけど宝石を作れる人もいる。宝石を作ることができるのなら、売れてようが売れてまいがアーティスト。

アーティストはただ、世の中の人たちが、ゴミと宝石の見分けをつけることのできる眼を持っていることを信じて、自分にしか作れない色形の宝石を作り、磨き続けるのみ。

もし、どうしても「アーティスト」と呼びたくなかったら、「錬金術師」と呼んでくれ。


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