点と線

今回、10月のライヴを「秋の遠征」と名付けて、11月のライヴを「冬の帰還」と名付けてみたのだが、これが思いのほかいい感じなので、今後のライヴについても一つ一つタイトルを付けていこうと思っている。

私は毎回全力でやる。そして、毎回燃え尽きる。だから、一つ一つのライヴがさらっと終わって流れていく感じが耐え難い。線は見えても点が見えてこないというのは嫌だ。と、そんな思いがあって、これまで、コンスタントにライヴ盤を制作してきた。

一つ一つのライヴを作品と捉えてタイトルを付けることで、一つ一つのライヴに意味を持たせることができる。線の中に埋もれがちな点をちょっとだけ浮かび上がらせることができる。

そういえば、天皇陛下の退位が決まって、再来年の4月から新しい元号になるらしいけど、私が自分のライヴに付けるタイトルというのはこの元号と似たようなものだと思う。西暦だけじゃ、線だけじゃ、わけがわからんようになるから、名前を付けて、線の上に点を打つんだな。

数字には、水のようにさらっと流れていくという特性があって、それは人間の年齢を数字だけを見て捉えた場合にも同じことが言えると思う。でも、数字は数字。ただの数字。大切なのはその内容であって、内容をもって歳月の経過を捉えるならば、人間、そんなにさらっと老いていくものではないと思う。


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