昨日、マスタリング作業を終えたDr.Fと合流。Dr.のスタジオで最終確認をして、遂に『爆弾』『ROCK&REISHI(remaster)』の2枚が完成した。
2枚とも、極限まで音圧を上げてあり、えげつないことになっている。
『爆弾』はまさに爆弾である。爆弾としか言いようがない。ギターの音がデカい。私の声もデカい。デカ過ぎて音割れし倒している。所々、何言ってんだかわからない。そこへライヴ当日、PAが深めにかけたリバーブが絡んでおり、そんなキチガイ染みた音の塊をDr.がさらに分厚くしてくれているものだからパンクを通り越してグランジな音になっている。『爆弾』の音作りについて私がDr.に言ったのはただ一つ、「さだまさしのファンが吐くような音にして欲しい」ということだったのだが、まさにそんな仕上がり。「アコギ一本で音楽やってる」と聞いてこの音をイメージする人は世界中探してもいないと思う。音楽に自分の中の何かを破壊してもらうことを願っている人に是非聴いてもらいたい。
『爆弾』がグランジだとすると、『ROCK&REISHI(remaster)』はパンク。『爆弾』よりシュッとしていて聴きやすい。客の反応も全然違う。『爆弾』は黙ってジッと聴き入っている感じで緊張感があるんだけど、『R&R』はタイトル通りロックンロールのライヴに来ている客の反応で賑やか。同じセットリストのライヴを同じライヴハウスで録ったとは思えないくらい別物に仕上がっている。だから、私の中では音触的に、『爆弾』がライヴ盤で、『R&R』はスタジオ盤だと捉えている。
『爆弾』には、ありとあらゆるロックを聴いてきて、ちょっとやそっと刺激的なくらいでは何とも思わない、物足りないと感じるロック馬鹿を唸らせる力がある。一方、『R&R』は、音楽好きではあるが特にロックが好きというわけではない人をロックしか聴かない残念な人間に変えてしまう力がある。
この2枚を聴けば、私が何かを起こし得る人間だということに気付いてもらえると思う。そして、その影には、Dr.Fという、納得のいく音を作るためには一切労を惜しまない、敏腕にしてアナーキーなエンジニアの存在があることを覚えておいて頂きたい。