『waterfall』解説

曲は俺と同じような立場で音楽やってる人たちに対する憤りの塊で、彼らのことを吐き気がするほど嫌いな2つの曲、岡本真夜の「TOMORROW」と槇原敬之の「世界に一つだけの花」に登場する花になぞらえて歌っている。「ナンバーワンこそオンリーワン」のくだりは、俺と同じように「世界に一つだけの花」の歌詞に違和感を覚えるというイチローの発言から引用した。

音には初の試みとして全体的にエフェクトを効かせてある。使用したのはフランジャーというエフェクターで、寄せては返すジェット音みたいな効果がある。しつこくならないように注意して、薄くしかかけていないが、ギターを歪ませると同時に適度に効果が強まるという予期せぬ現象がこの映像のサイケデリック感に繋がった。

特筆すべきはなんと言っても映像全体を覆うサイケデリックな模様。これを見て「おお!遂に怜士もデジタルを駆使するようになったか!」と思われた方もあるかもしれないがさにあらず。んなわけがない。デジタルは俺にも使いこなせる範囲で道具として扱っただけで、根幹を成すのはやはりアナログ人間の工夫である。では、このサイケデリックな模様の正体は一体何なのか。明かすとしよう。コレである。

そう、俺が描いたイラスト『仮面』。これを8%の薄さにまで透かしたものを5枚用意して、不規則な向きで重ね合わせたものを映像に貼り付けたのである。我ながら秀逸なアイデア。「もっと良くなるはずだ」という希望的観測を実際に良くなるまで諦めなかったことの成果と言える。

もう一つ、特筆すべき点は俺の表情。完全に無意識なのだが、「くたばれ世界で一つだけの花」(韻を踏みたい気持ちが昂じて「世界に」ではなく「世界で」となっている)のところでニヤッと薄ら笑いを浮かべている。

だから言ったろ?「悪魔と呼んで」って。


2件のコメント

  1. 「世界に一つだけの花」わたしも嫌いですから、聞くことなかったのですが、
    改めて、歌詞を検索しました。
    んん〜〜、確かに違和感というか、気色悪いでした。
    たぶんそうゆう時代感だったのではないかな。
    アスリートの人などからしたら、キレられるでしょうね。
    だってみんなで凡人でいましょうと言っているようなもんですから。
    スターのいない世界なんて、おわとるでしょ。
    また時代は変わると信じましょう。。。

    1. 以前にも書きましたが、例えば、レンゲ畑に咲くレンゲが一輪一輪違って見えるなんてことはないわけです。でも、あの曲の中で槇原敬之は「見える」と言っている。
      見えるとすれば、それは何かヤバいものをやってるとしか考えられないわけで…あ、そういうことか(笑)

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