昨日、近所のリサイクルショップの買取りコーナーで、和泉元彌のオカンによく似た派手なオバハンを見掛けた。
オバハンは、若い男の店員に向かって自分の持ってきたものがいかに素晴らしい品々なのかを、一品一品紙袋から出して、大きな声で説明していた。
「これね、この靴がイタリー製でね、それからね、この服はね、探しに探してやっと見つけたのよ!ほら!この袖のところの刺繍が素晴らしいでしょ?だってこれは、あの何とかいうブランドの…とにかく、イタリー製なのよ!」
店員はにこやかに「そうですかあ!わざわざありがとうございますっ!」と答えてから、「では、少々お待ちいただけますか?」と言って紙袋を受け取り、少し場所を移して査定に取り掛かった。
5分後、店員が紙袋を持ってオバハンの前に戻ってきた。そしてこう言った。
「160円です」
撃沈。薄れゆく意識の中で「でもイタリー…」と呟くオバハンの姿が涙で霞んだ。