私はやはり、師匠(たけし)寄りの人間であって、さんま寄りの人間ではないと思う。
同系列の人間の最高峰的存在として、師匠を尊敬している。でもその一方で、自分には到底真似のできない別世界の人間の最高峰として、明石家さんまを猛烈に尊敬している。二人とも凄い人間だと思う。
最近、師匠が死刑制度に異議、反対を唱えた。「殺しちゃ駄目だ。生かさなきゃ。生きることの辛さを味わわせなきゃ」一方、さんまの座右の銘は「生きてるだけで丸もうけ」であって、愛娘に「いまる」と名付けたことはあまりに有名である。
私は、どう考えても師匠寄りの人間だと思う。思考回路の構造が基本的にネガティヴにできていて、そこに熱を持たせることで自己主張する。「生きてるだけで丸もうけ」なんて超絶的にポジティヴな言葉、宝くじで一等が当たって働く必要がなくなったとしても絶対に吐けないと思う。
ちなみに、これは余談だが、私の親父がよくこんな言葉を漏らしていた。「日本人には「死ねる」という発想が欠けてる」
親父はビートたけしのことが大好きだった。「たけしは凄い」と口癖のように言っていた。「僕はいつか、たけしと一緒に酒を飲んで語り合うことになる」とも言っていた。私にとって親父は神だった。神が絶賛する人なんだから文句の付けようがない。だから私はビートたけしのことを、「神の次に凄い」という意味で「師匠」と呼ぶようになった。
小4の時から「師匠」と呼んでいる。