曲の出来について、他人に負けたと思ったことは一度もない。ただ、その表現方法については、止めどなく迷走してきた。
バンドでは芽が出ないーということは、バタフライというバンドを解散した時点で、気付きたくはないけど気付いた。でも、それでもやっぱりロックをやりたいことに変わりはなく、先日のソロ転向後の初ライヴではアコギ一本でのロックを試みた。バンドでのやり方、見せ方を、そっくりそのままアコギ一本でやる。今までそういう人を見たことがないし、上手くいけば面白いことになると思ったのだが、あれはあれで終わり。失敗したとは思わない。思わないけど、あのやり方はあれが最初で最後。
今は、ある種、ロックを忘れて、ロックはスピリットの部分に押し留めて、「聴かせる」ことに徹したスタイルで練習を積み重ねている。
曲のアレンジから歌い方に至るまで、無駄なものを徹底的に削ぎ落として、極限までシンプルに。結果、「ようやく自分のスタイルに辿り着いた」と思えるようになった。思えば私は、イラストを描く時も3色しか使わない。つまりは、そういうこと。ようやく、迷いがなくなった。
私はいい音楽をやっている。
私をダシに一発当ててやろうという、プロモーション能力に長けた人物に巡り逢うことさえできれば、本当に、なんとかなると思う。