芸術家について、太宰治は「人ではありません。その胸に、奇妙な、臭い一匹の虫がいます。その虫を、サタン、と人は呼んでいます。」と言い、坂口安吾はズバリ、「バカモノ」と言い切り、ジッドは、著書の中で、「芸術家は花です。何の腹...

盥2

子供の頃、いや、つい最近まで、私は、ドラマなどでよく耳にする台詞、「お前なんて勘当だ!」を、「お前なんて感動だ!」だとばかり思い込んでいた。 本来、良い意味であるはずの、「感動」を、相手を罵る言葉として使用していることに...

イマジン

「ジョンレノンは世界を変えることができなかった!」などと、ストリートで、ギターを掻き鳴らしつつ喚いてる男が、厄年に、厄払いをしたにも関わらず、両腕両脚を骨折して、インフルエンザにかかって、さらに、家庭が全くうまくいかず、...

大きな天災に見舞われると、デジタルなものの脆さが一気に表面化してくる。そうして、そんな時にだけ、掌を返したように、皆が皆、「やっぱ、アナログっていいよねえ」みたいなことを言い出す。 で、喉元過ぎて熱さ忘れるや否や、「やっ...

子供の頃、黒澤明監督の『夢』という映画の、2話目(この映画は確か3つの話ー黒澤明が実際に見たという3つの夢から成り立っていたように思う。)を観て、恐ろしくて恐ろしくて、絶望的な心持になったことを覚えている。 富士山の麓の...

読書の覚醒

人生には、怨みに怨み、憎しみに憎しんだものが、ある日突然、何かの拍子に、将棋の駒のようにくるりと裏返って、愛着、愛情の塊と化す、ということがあるらしい。 元来私は、何が嫌いって、言葉が嫌いで、従って、本など殆どと言って良...