忘れ去られていた花の輝き

本日休日。昼まで寝て、布団で横になったまま、枕元で何気なく携帯をいじっていた。そして、特に何の考えもなく「和田一憩」を検索してみたところ、検索結果の中に一つだけ見たことのないものがあった。

「flower(和田一憩)」とあって、何と、曲が聴けるようになっている。

「flower」というのは、確かに私が書いた曲で、昔、一緒にバンドをやっていた女の子が結婚するというので、その記念に、結婚式に出席させてもらって歌うつもりで書いた曲なのだが、訳あって出席できず、後に一度だけ、ソロライヴで披露した曲なのである。当然ながら、レコーディングした記憶などない。にも関わらず、ネット上には「flower(和田一憩)」とあり、曲が聴けるようになっている。

???

聴いてみて驚いた。声の主は太田くんだった。当ブログのベテラン読者には、ヨハヒフ、ヒダリ、イベント「虫と向き」でお馴染みの太田ヒロシくんが、私の「flower」をカバーしてくれていて、それもしっかりレコーディングしたものをネットにアップしてくれていたのである。

産みの親である私が、はっきり言って存在さえ忘れてかけている、ライヴで一度披露しただけの曲を、太田くんが完璧にカバーしてくれている。私がレコーディングしたとしても、太田くんと同じところでコーラスを入れると思うし、全体的に、何の文句もない。あまりに素晴らしい出来で、感動した。

当ブログの愛読者の皆さんにも是非聴いていただきたい。太田くんの声によって息を吹き返した「flower」を、是非とも聴いていただきたい。

太田くん、カバーしてくれて本当にありがとう!


心の可動域

人間、「自分にはできない」と思っていることの7〜8割はただの思い込みで、できると思えばできることなのである。ただ、「できると思えば」ということがなかなかできないから厄介なのである。


親父はロックスター

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今まで見たことのない親父の写真が出てきた。親父はカメラを向けられるのを極端に嫌う人だったから、親父を撮ろうと思えば、このようにこっそり隠し撮りするしかなかったのである。それにしても、我が親父ながらかっちょええ。

もう少し図太く図々しく元気に長生きしてたら、確実にキースになれた人だと思うのだが、いかんせん、絵描き丸出しの死に方をしてしまった。

親父は若い時、絵描きになる前、友達からギターを借りたことがあって、なんとも根気のないことに「3日で諦めた」らしいのだが、それでもやはり、私にとって親父は、ロックスター以外の何者でもないのである。


世間に苦言

やらねばならんことについての頑張りは頑張りとして評価されるのに、やりたいことについての頑張りが頑張りとして評価されないというのはいかなる禍事か。

抜け駆けは許しません。
抜け駆けは許しません。
抜け駆けは許しません。
抜け駆けは許しません。
抜け駆けは許しません。

「世間」と呼ばれているものの向こう側から聞こえてくる言葉はいつも同じだ。

「抜け駆けは許しません」

一体何をそんなにビビっておられるのか。

「僕が諦めたんだから、君も諦めるべきでは?」
「私が諦めたんだから、あなたも諦めるべきでは?」

卑屈過ぎやしないか?

あくまで、「やりたいこと」のための「やらねばならんこと」だろう。ここんとこを間違えると、人生、えらいことになる。


梁山泊燃ゆ

あべのハルカスがオープンした日に、十三駅前の老舗飲屋街「ションベン横丁」が炎上した。

数年前、私は何度かションベン横丁で飲み歩いた。あの頃、私はあんまり幸せではなかった。ションベン横丁は、さすが「ションベン横丁」だけあって、あんまり幸せではない人間が救いを求めてどこからともなく集まってくる梁山泊を思わせた。捨てる神あれば拾う神ありだった。何を食っても大してうまくない店が立ち並んでいたが、狭い路地いっぱいに立ち込める強烈な人間臭が旨かった。嬉しかった。

あべのハルカスとションベン横丁ーこれも時代の流れなのだろうか。だとしたら、ちっとも嬉しくない流れだ。

手垢にまみれてベタベタの横丁が喧嘩腰に見上げていた世の中を、指紋の目立ちやすいペカペカの超高層ビルが涼しい顔をして見下ろしている。


口の虚しさ

子供の教育に欠かせないものは嘘。
老人の介護に欠かせないものも嘘。

嘘。
嘘。
嘘。

愛情ある嘘を上手くつける人は、人として本当に立派だと思う。優しさの塊だと思う。だから、「馬鹿正直」と呼ばれている人ほど、人として欠落しているものはないと思う。

嘘に始まり嘘に終わるのが人だけど、その嘘は人の知恵ゆえで、優しさゆえで、これっぽっちも悲しいことではないと思う。

嘘は、想像力の賜物だ。中には、創造力の賜物と呼べそうなものさえある。

でも、嘘は嘘。


カッコええ!カッコええ!カッコええ!

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かつて、飛行機の中で裸の女を抱きかかえて笑っていた男の現在である。

かつて、ホテルの窓からテレビを投げ落として、テレビが砕け散る音を聞いて狂ったように笑っていた男の現在である。

かつて、ドラッグのやり過ぎでスタジオの床をのたうちまわっていた男の現在である。

かつて、ライヴ中にステージ上に這い上がってきた客をギターでぶん殴っていた男の現在である。

かつて、ドラッグの不法所持やらなんやらでしょっちゅう逮捕されていて、「だったらはなっから捕まっといてやるぜ」ってんで、左腕に手錠型のブレスレットを巻くことにした男の現在である。

かつて、キース・リチャードという同姓同名の少年から「学校で虐められる」と訴えられて、「リチャーズ」に改名した男の現在である。

今もなお、ツアー先にトラック一台分のワインを運ばせるこの男のお腹がちょっと出てきたのはご愛嬌。

嗚呼…キース・リチャーズ。


メインストリートのならず者

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右にだったか左にだったかは忘れたが、キースの鼻は若干曲がっている。これは若かりし頃、ちょうど写真のこの頃、三日三晩一睡もせずにスタジオに篭ってアイデアを練り、ギターを弾いていたところ、ついに限界が来てぶっ倒れて、アンプで鼻を打ち付けたからなのである。


ジャック・スパロウの親父

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映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主人公、ジャック・スパロウが、キースをイメージして作られたキャラクターだということを皆さんはご存知だろうか。そして、当映画の何作目かで、キースがジャックの親父役として登場したことを皆さんはご存知だろうか。