リアム・ギャラガー率いるビーディ・アイの1stアルバムがこんなにも素晴らしいのは、リアムがロックンロールスター人生史上初めて味わうことになった解放感が、アルバム全編を通してほとばしっているからだと思う。
さすがの狂犬リアムも、兄ノエルにだけはずっと頭が上がらなかった。それはかつて、あの横山のやっさんが、西川きよしにだけは頭が上がらなかったというのと全く同じような感じだったのではないだろうか。実際、オアシスというバンドは、歴史を重ねれば重ねるほどに、兄の表現の場という色彩が濃くなっていってたから、きっと、リアムの中で確実に募っていくものがあったはずなのだ。早い話が、窮屈だったはずなのだ。で、ある日、その窮屈感が沸点に達して、ンダラアー!!となって、気付けば兄のギターを蹴り割ってしまっていたのだ。
オアシス解散後、「ノエルのいないリアムって大丈夫なのか?」という、まるで、リアムを保護者を失ったガキンチョか何かのように言う声をよく聞いたが、リアムにしてみれば、自分はもう、自分で結構イケてる曲が書けるという自信があっただろうし、そして何より、アンディもゲムもクリスも、元オアシスのメンバーはみんなことごとく、天才メロディーメイカーの名を欲しいままにしている兄貴にではなく、天才ロックンロールスターの名を欲しいままにしている自分に付いてきてくれるんだから、「俺をナメてもらっちゃ困るぜ、オマ〇コ野郎どもが。」ってなもんだったのだろう。
私は、アンディとゲムとクリスが、こともあろうか弟のリアムに付いていくことにしたというその決断に、非常な驚きと感動を覚える。リアムはきっと、イメージ通り、裏表の無い、単純な、いい奴なんだろうと思う。
この先、ビーディ・アイで3、4枚、ファッキングレートなアルバムを拵えて、兄ノエルにその才能を遺憾なく認めさせてから、出来れば兄に乞われる形で、オアシスを再始動させて欲しい(リアム・ギャラガーともあろう者が、誰かに、たとえその相手が兄貴であろうとも、頭を下げるなんてことは絶対にしちゃイカンのだ!)。
その時こそ、オアシスは本当に、ビートルズに匹敵する物凄いバンドになると思う。
今回のアルバムで驚いたのは
ゲムとアンディの多才なところ!
そのことにもっとも驚いたのは兄貴ノエルであるのは間違いない!
早く帰ってこいバカ兄貴!