ヌメヌメの虫

昨日まで、残業に次ぐ残業の日々であった。職場が移転するということで、その引越し作業に追われていたのである。
私は、休日出勤は結構喜んでするけども、残業というものが嫌いで(学生時代も、「放課後居残り」というのが死ぬほど嫌いであった。)、引き受けるか否か迷ったんだけれども、GW明けということもあって快く引き受けたのだが、これが意外な形で吉と出た。というのも、夜遅くまで一緒に働く中で、パートさん達とだいぶ仲良くなれたのである。

ちゃんと接してみると、オバハンはおばちゃんであった。そして、オバハンゾーンに片足突っ込んだ、厭世的オーラ漂う女の人たちは、意外と笑顔が素敵だったりして、たまに非常に可愛らしいのであった。同時に、私に対する警戒心もだいぶ解けてきたようであるし、結果的には、残業を引き受けてよかったと思っている。

私の職場は社員を除くと、9割方女性である。私にしてみれば、この環境というのは、介護職をしていた時となんら変わらないので、何の抵抗も感じないが、同時に、女性ばかりの職場の影の部分というのもよく知っていて、それはやはり、現在の職場でも同じようである。
よく見ると、いくつか派閥的なものができているみたいだし、コソコソ話をしているところもよく見かけるし、男ばかりの職場では絶対にあり得ない、何かとても陰湿なものが音も立てずに蠢いている気配が確かにある。
一人一人、単体で見るとなかなかに魅力的な人たちなのに、群れると、女の人というのは何故こうなってしまうのだろう。実に厄介な生き物である。

「やっぱりこういう職場には男の人が必要やわ。」
「力仕事が出来るからですか?」
「いや、それだけじゃなくて。女ばっかりやと、悪口とか、ほら、色々と…わかるやろ?」
と、以前、お世話になった女性ベテラン介護士さんが言っていた。


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