一年前の今日、酷い二日酔いで目を覚ますと、私は大阪ではなく、伊丹最北端の、自分の部屋にいたのである。
目を覚ました瞬間の心境はまさに、読んで字の如く、「お先真っ暗」であった。底なしに絶望的であった。
あれから、ちょうど一年…一年が経過したのである。
今まで生きてきて、この一年ほど凄まじい一年はなかった。何度も頭に思い浮かべたフレーズは、「敗戦」と「復興」だった。
失ったものも得たものも大きかった。得たものも失ったものも大きかった。
今はただ、全ては、再び音楽のある生活に戻る為のものだったと捉えている。
大阪にいた頃は大阪にいた頃で、当然、意識的に、音楽をもう一度身近に引き寄せる為に、思い付く限りのことを色々とやってみたのだが、全てが立て板に水で、埒があかないので、それを見かねた無意識がついに作動、爆発して、誰の目にも無茶苦茶に見える最終手段(「最終手段」は大抵無茶苦茶なものだ。)でもって、私をここへ連れてきてくれたんだと思う。
大きなものを得る為に、大きなものを失うというのは、要するに、「高い買い物をする」ということだ。
そうして今朝、「新しい朝」を、私は、この一枚を爆音で聴くことによって迎えた。レノン/マッカートニー以来のソングライティングコンビと称されるグスタフ/ビヨルン率いるマンドゥ・ディアオの1stである。
もう、ロックンロールしかないでしょう。ロックンロールしかないでしょう!