詩『才能の葬儀』

口に手を突っ込んで 喉に指を捩じ込んで 酒に爛れた赤黒い言葉が 朽ちた床の上に音もなく落ちる 気焔を吐こうとして 血を吐き続けた 老いた詩人の魂が見放したもの 見放したのではなく 見放されたことに気付いた時 秩序をくれ!...

詩『人魚』

凍りついて見上げていた そこに君の肉体はなく 見覚えのある真っ赤なドレスが立っていた 胸元には猫の目に似たガラスの玉が輝いていたが 突然弾け飛んで螺旋階段を駆け降りると 僕の足元で音を立てて割れてしまった 割れてしまった...