悪女乱舞2

ここで、ゲーム『三国志』の途中経過をお伝えいたしましょう。

美貌と人間的魅力だけで戦乱の世を生き抜こうとしている『歩く無謀』―茘枝女史は昨日、まだ魅力値が完全に上がり切っていないにも関わらず、主としてあまりに面白味に欠ける劉虞を見限って下野することを決意。今朝には、この決意がゲーム上に反映されて、茘枝女史はめでたく主を持たない在野武将、要するに「ホームレス武将」となる。
ただし、ずっとホームレスのままでいたのでは、いつまで経っても魅力値を上げることができないし、出世も覚束無いので、なるべく早く、新たな仕官先を見つけようと思っている。
ただ、「仕官」とは言え、城を持っている君主の中で好きな武将となると、劉備か黄忠くらいのもので、黄忠は勢力的に弱過ぎていつ滅亡してもおかしくないし、劉備はすでに有能なユーザー武将を大勢抱えているので、何だか全然興味が湧かないから、ちょっと視点を変えて、城を持たずに「傭兵団」を率いて中国大陸を渡り歩き、どこかに戦争があればこれに加担して生計を立てている張遼の下で働いてみようかと思っている。
傭兵団を率いている武将の中には、他に孔明などもいるのだが、孔明はさすがに人気があって定員オーバーの状態なので、それなら、孔明に負けず劣らず「名将」の名高い張遼なら、まだ若干名空きがあるし、私を迎えてくれるんじゃないかしら?―と、茘枝女史は弱い頭を弱いながらにフル回転させて、考えております。

「張遼に断られたら、太史慈の所へ行って、太史慈に断られたら…断られたら、どうしよう…」後先のことを考えず、無計画に劉虞のもとを飛び出してホームレスとなった茘枝女史の運命やいかに!


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