あの女(ひと)

再三、私の自尊心を踏みつけた、あの女の溜め息や、舌打ちや、嘲笑が、今や私の原動力だ。

私が落ちぶれたら、あの女は嬉々として笑うんだろうから、私は落ちぶれてたまるかと思って、奮起して、何事にも体当たりでぶつかっていける。

私が逃げなくなったのは、闘えるようになったのは全て、私が闘わずして逃げだすことを期待しているあの女のおかげだ。

あの女の歯軋りを鼻で笑いながら生きていきたい。


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