狼煙

中学の時、学校で、喫煙がいかに有害かという内容の映像を見せられた。見終わると先生が「これを見てもなお「自分は将来タバコを吸うんだ」という人は手を挙げて」と言った。その時、教室には40人近くの生徒がいたのに、手を挙げたのは私だけだった。私は周りを見渡して「この嘘つき野郎どもが」と思った。みんな笑っていたが、私は別にウケを狙ったわけではなかった。狙っていたわけではなかったが、私は「だって、キース・リチャーズが吸ってるから」と言った。が、誰もキースを知らなかった。

小、中、高ー学生時代。私は、何が嫌いって、同級生たちが大嫌いだった。あの人たちには自分の考え方というものがなかった。仮にあったとしても、一切表現しようとせず、表現しないことを安全、下手すりゃ「かっこいい」とさえ思っている節があり、そんな態度と連日接することを強いられている私の中には「殺意」と呼んで差し支えないほどの憤りが実はあった。

あの時、私は、あの人たちー同級生たちの在り方こそが、日本人の在り方そのものだと悟った。だから私は今でも、基本的に、日本人って好きじゃない。


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