人はみんな、各々の人生の主人公なんだから、一人残らず「君主」だ。
君主は、自分の身体の全細胞の上に君臨していて、そこにひゃんぱなくデカい責任がある。また、君主の周りにあって、君主の支えとなる人たちは(彼らもまた、各々の人生の中では君主なんだけれども)「将」であり「師」なんだから、常に人を見て、必要とあらば自分の側に引き寄せる努力を怠るべきではないと思う。私は、これだけは怠りなくやってきたと勝手に自負している。
これは私が男だからか、人生を戦いの連続、群雄割拠の戦場だと捉えると、胸躍るものがなくはない。なんだかんだいって、いつだって巻き返せるような気がしないでもないし、たとえ万事休することがあったとしても、いつもどこかに勝機的なものを見つけることができると思えなくもない。
何は無くとも、私は人に恵まれている。人にだけは恵まれている。これは、これだけは胸を張って自慢できる。私自身は大したことないから、私自身については全くもって自慢できないが、私は、私の周りにいる人たちについては胸を張って自慢できる。だから、滅入りに滅入っても不思議と踏ん張れるし、まだまだ戦える。