バンドマン・ロック

私はあくまでバンドマンである。

私のような者にも「プライド」と呼べるものが一つだけあって、それは今だにバンドマンとしてのプライドであり、誇りである。

とかくバンドマンはナメられがちである。居酒屋の入口で何度「バンドマン入店禁止」の札を見たことか。どうせ「ふざけた野郎ども」くらいにしか思われていないんだろう。でも実際は、バンドマンってみんな真面目なのである。悲しいほどに真面目なのである。クソ真面目なのである。モヒカン頭のパンク野郎だって、ちょっと喋ればすぐわかる。それこそもう絶望的に真面目なのである。ステージ裏の狭い通路で「す、すいません」と言って、どもりながら道を譲るような奴らばかりなのである。己の真面目気質が窮屈で仕方のない奴らが解放感を求めてロックンロールという「不良の神」に心身を捧げるのである。

私は、私より若い、私の後に続くバンドマン達の為に頑張りたいと思っている。世間に「バンドマンのくせになかなかやるじゃねえか!」と唸らせたいがために、できる限り頑張りたいと思っている。

それがたとえ、ステージ上の頑張りではなくても。


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