ロックンロールの帝王

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⬆︎チャック・ベリー

ジョン・レノンが「ロックンロールに別の呼び名を与えるとすれば、それは『チャック・ベリー』だ」と言ったのは有名な話であり、また、キース・リチャーズが、神と崇拝するチャック・ベリーの為に映画を制作、共演した際に、「お前のギタープレイが気に入らない」とチャックに殴られて、殴られたにも関わらず、「他の誰かに殴られたのならまだしも、チャックに殴られたんだから仕方がないよ」と言って一切殴り返さなかったのも、有名な話である。

ロックンロールの創始者の一人であり、89歳となった現在も、演奏は救い難くグダグダながら、現役バリバリにライヴ活動を続けている怪物のようなジジイーチャック・ベリーは、バックバンドのメンバーを固定しないことで有名で、行く先々で地元の、素人に毛が生えたようなミュージシャンを従えてステージに上がる。そして、素人に毛が生えたような奴らを従えておきながら、リハーサルをせず、どの曲をどんな順で演奏するのかさえバンドに告げず、いきなり歌い出すものだから、バンドは非常に困惑するのだが、そうやって困惑しているバンドを睨みつけて、「この役立たずどもが」と罵倒する、めちゃくちゃなジジイなのである。強姦罪か何かで逮捕されたことも何度かある。死ねばいいのに。でも、みんな大好きチャック・ベリーなのである。

最近、そんなチャックのCDをよく聴く。私が持っているのは3枚組のベスト盤なのだが、ビートルズやストーンズがこぞってカバーした、ロックンロールの古典とも言えるナンバーがこれでもかと続く。一瞬の閃きだけを頼りに、作曲からレコーディングまでを僅か3分の内に片付けてしまったかのような、同じようなパターンの曲が延々と続く。食っても食っても飽きのこない金太郎飴。最高。

でも、彼のバックでギターを弾きたいとは思わない。


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