音楽を聴け

先月今月とゴールドラッシュだった。リアムギャラガー、ザ・ビートルズ、佐野元春が立て続けに素晴らしいアルバムを出して、歓喜に次ぐ歓喜だった。

皆、音楽を聴かなくなってきている。BGMのようにして聴き流すように聴くというのは音楽を聴いているとは言わないし、流行りの音楽を使い捨てのように取っ替え引っ替え聴くというのも音楽を聴いているとは言わない。

「あなたはどんな音楽が好きですか?」と問うた場合に、答えられない人があまりに多過ぎる。自分の好きな音楽がどんなものなのかすらわからないのに、レコードやCDといった「モノ」に金を出す訳がない。だから、安くついて、形として残らないネット配信に需要が集中するのは当然の事で、そうして、モノを売る店が次々に潰れていく。

音楽。リスナーはネットで使い捨て。間に合わせていて、アーティストはライブに取り憑かれている。どこにも形がない。手に取れるものがない。リスナーは大して好きではないものがかさばることを嫌い、アーティストは皆自信がなくて足跡を残したくないと思っている。リスナー、アーティストともに、音楽について、用が済めば消えてなくなるものでないと都合が悪いと考えている。

時代遅れだろうがなんだろうが俺は作品を作り続ける。モノを作り続ける。かさばらせ続ける。

昔、喉から手が出るほどレコードが欲しくなかったか?CDが欲しくなかったか?欲しかった時、今よりずっと音楽が好きだったろ?今よりずっと人生が楽しかったろ?忘れてはいけないものをあっさり忘れておきながら「生きてて楽しくない」とか「人付き合いがめんどくさい」とか、たかが40かそこらで「俺も歳をとった」とか言わないでくれ。疲れた顔をしないでくれ。完全に自業自得じゃないか。知ったこっちゃない。

思い出せ。頼むから思い出してくれ。新しく知る必要なんてない。新しく知ろうとすればアンタらはどうせまた間違えたことをする。思い出せ。ただひたすらに思い出せ。思い出してくれ。


3件のコメント

  1. わたくしも少なからず
    今回の投稿に完全同意で
    代弁していただけた気分です。

    刹那という言葉がありますが
    刹那の恋とかそういうロマンでは
    なくて、切り捨ての使い捨ては
    もうやめてほしい。

    怜士さんのコメントは
    流石の一言だ。
    かなりの度合いでの同意です。

    しかし解れといくら説いても
    わからん輩はスマホで
    ゲームをしてどんどん歳を
    取ればよろしい。
    そう気づいた時には
    皆がそばから離れ、孤独死か、、、。

    ラグビーが盛り上がっているらしいが
    大衆のその熱は続くのか?無論、否である。
    続くはずがない。
    それこそ刹那的であり
    使い捨ての根性だ。

    わたしくしも純日本人だが
    それらの人々との理解は相当
    むずかしい。

    怜士さんとの会話
    音楽制作はわたしの生活の
    いや、生きる糧となっている

    長くなり申し訳ないです。

  2. よく、アーティストのレベルが低いからリスナーのレベルが低いのか、リスナーのレベルが低いからアーティストのレベルが低いのかということを考えます。結論から言えばどちらも正解で、悪循環が止まらなくなっているんだと思います。物凄い勢いで堕ちていく負のスパイラルがあって、あれよあれよと音楽が駄目になっていく。自分はアーティストの立場でものを考えたいから、「アーティストのレベルが低いからリスナーのレベルが低い」の方に重きを置いて、責任を感じながらやっていかないと駄目だと思っています。

    昨今のラグビー人気はひとえに、ラグビー日本代表の頑張りによるもの。これまでラグビーに全く興味のなかった日本国民の腕をガッと掴んで、力技で自分たちの世界に引きずり込んだ。アーティストも、リスナーにもう一度ちゃんと音楽に向き合ってもらおうと思えば、本当は自分が楽しむことしか考えていないくせに「自分が楽しまなきゃ人を楽しませることはできない」とかなんとか都合の良い屁理屈をこねてないで、しっかり努力して、いいものを作って聴かせて観せて、力ずくで多くの人を巻き込んでいかないと…と思っています。

    1. ラグビーの件は失礼しました。
      状況をよく知らずの言動でしたので、、、

      またご指南いただければ助かります。
      音楽の負のスパイラルをただの状況と
      唖然と見ている自分がいました。

      変えてゆく、いいものを作る
      それしか制作者にはないですね。

      リマスタリング作業
      はりきってまいります。

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