僕は卑劣なコーディネーター

「ソングライティングというのはね、ドアが開いて女の子が入ってくるのを待っているようなものなんだ」とプリンスは言った。素晴らしい。名言だと思う。「ソングライティングというのは常にアンテナを張っておいて、向こうからやってくるものを捕まえるということだ」と言ったキース・リチャーズと言わんとしている事は同じだと思うけど、表現としてはプリンスに軍配が上がる。

女の子が入ってくるのを待つのが仕事なら、入ってきた女の子をどう作るかというのも我々ソングライターの仕事。どんな服がベストなのか。どんな髪型がベストなのか。どんなメイクがベストなのか。香水は?といった事を考えて、女の子を作る。「曲を作る」と言うが、「作る」という言葉の本来の意味はそういう事だと思う。女の子自体はどこからともなくやってくるものであって、作るものではない。

たまに、どんなに手を尽くしても無駄だろうというブサイクな女の子が入ってくることがある。決してブサイクではないけどまったくもってタイプじゃない女の子が入ってくることもある。そんな時には反対側のドアを開いて「シッ!」って言うんですよ。

ソングライターという卑劣な生き物は。


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