奥の細道

私はいつも、「本当にそうなのか?」と思うのである。「本当にそれで良いのか?」と思うのである。「それって面白いか?もっと他にあるんじゃないのか?」と思うのである。私はいわば『歩く懐疑心』なのである。

子供の頃の私は、私を取り囲む大人に恵まれていたように思う。あの人たちに比べれば、今、私を取り囲んでいる大人は実につまらない―茶の出涸らしみたいな感じなのである。どいつもこいつもいい歳をして「個」がない。

私の親とか、親の友人とか、教師とかが私に繰り返し言ったのは、「お前が『普通』でどうする!」だったように思う。思えば、私を取り囲む大人はみんな不良だった。

不良が寄ってたかって不良を拵えた。そして、その不良を世の中にブチ込もうとしていた。

私は常に、私を拵えてくれた不良たちの期待に応えるべく生きているが、まだまだぬるいと言わざるを得なくて、情けないっちゃ情けないが、まだまだこれから。

不良道は、なかなかどうして、奥が深いのである。そして、奥へ行けば行くほど、道は細くなっていくのである。


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